2025年 05月 23日
1970年万博会場にて展覧会ハシゴ〜『民具のミカタ博覧会』『大阪の民藝運動』 |
照りつける夏日の元、バラ園は満開真っ盛り。遠くまで甘い香りが漂っていました。其れにしても、バラの種類は多いですね。世界的に人気の花なのでしょう。
先ずは国立民族学博物館『民具のミカタ博覧会』(〜6月3日まで)
続いて大阪日本民芸館『大阪の民藝運動ー三宅忠一の眼』(〜7月15日まで)。
何方も大阪・関西万博開催記念の特別展です。
みんぱくでは、先の1970年の万博のために世界各地で収集された世界の民具と、武蔵野美術大学所蔵の日本の民具を展示。ムサビ(武蔵野美術大学)には、美大生のための美術資料として約9万点もの民具を所蔵しています。其の根本となるのは、民俗学者の宮本常一が生徒と共に研究した生活文化研究会、近畿日本ツーリスト日本観光文化研究所が全国で収集した民具になっています。宮本の著書は、柳田國男、折口信夫、柳宗悦の書と合わせて、私の「座右の書」。
各地の自然の中から自然発生的に作られた民具には、共通するデザインもあり、自然崇拝からの特殊なデザイン、用法もあり、生活必需品もあれば、ユーモラスな装飾品もあります。
京都にもこんな可愛らしい玩具が。今は何処に?


みんぱくに展示された膨大な数の資料、自分でテーマを持って観なければ、数と広さに圧倒されて、ひと回りしてみても疲れしか残らない気がします。こうして特別展でテーマごとにミカタを表示してもらえばわかりやすいですね。親子でも楽しめる企画でした。





日本庭園は、新緑の季節でした。
民芸館の方は展示品の写真撮影ができません。HPにもパンフレットしか載ってないので、ご想像にて。
民芸館の展示品にも民具の延長線にあたるものが多いです。人の手によって創意工夫して作られたものには、無駄を削ぎ、洗練された美しさ、存在感があります。みんぱくの常設展でも今はすでになくなった世界中の人の営みを観ることができますが、日本各地にも閉窯した民窯、生活習慣が変わり、作られなくなった道具など山ほどあります。其れ等収集されたものを保存、管理する施設がなければ、ゴミとされたり、離散したりするでしょう。
今回の企画展に出品された数々、大阪で起こった民藝運動の同人三宅忠一(1900〜1980)が設立した「日本工芸館」の収蔵品です。存命中は柳宗悦から始まった「日本民藝協会」と、三宅忠一が離脱して起こした「日本民芸協団」の民藝運動に対する思想の対立が長く続いたこともありました。
難波にあった日本工芸館が休館して数年になります。膨大な収蔵品は、何処かで管理されているそうですが、惜しいことに常設できる施設が今後出来るかどうかは不明。
三宅が生産と支援に力した小鹿田、小石原、有田焼など九州の良いものが多く展示されていました。民藝運動の思想がどうとか関係なく、素直に、ただただ美しいと思います。特別展では、展示室を分けて、大阪日本民芸館の収蔵品も併せて観られます。
過去のあまたブログを探しましたら、日本工芸館に行った2016年の記事が見つかりました。きっと最後の訪問だったと思います。館内は写真撮影可能でしたので、沖縄やちむんやこけしなどを投稿しています。今となっては、資料としてもっと撮っておけばよかった。三宅氏は良い眼をお持ちでした。
晴れ渡る青空。夏日の平日。事前予約制を嫌がって見学できなかった太陽の塔の内部、空いていれば当日券で入れると聞き、初めて見学しました。


1階部分以外の写真撮影は、カメラ所持者のみに限る別料金(¥500)で許可。わかる様に指定されたスマートフォンケースを首から提げましょう。という細かい(ケチな)設定になっているのは疑問でした。見学時間30分なのに。。
太陽の塔は「巨大な彫刻」ではなく、万博のテーマ「人類の進歩と調和」を表現する「パビリオン」を狙った岡本作品だったのでした。
螺旋階段を上がって地上から30mの部分は、塔の両腕の地点になります。万博当時は階段ではなくエスカレーターで、塔の天辺、顔まで上がれた模様。拡声器を唸らせて近代化に反対の声を挙げた男性が立てこもるという事件は有名。
人類の過去、現在、未来を一体化したパビリオン。近代化に警鐘を鳴らし、アニミスムに共鳴し、芸術のエネルギーを爆発させた岡本太郎画伯の脳内を垣間見た気がしました。しかし、よくこんなすごいものを造りましたね。
by mottainai-amata
| 2025-05-23 17:20
| 観てみよう展覧会
|
Comments(0)









































