2024年 06月 25日
沖縄伝統工芸の道 |
沖縄屈指の繁華街国際通りを目指しました。
車内から那覇市内を見ると、去年より更に大きなタワーマンションやホテルが乱立しています。駅構内の建築関係のポスターにも「駅から徒歩圏内!セカンドハウスにいかがでしょう」みたいな売り文句が書いてあります。もちろん、投資目的の人もあるでしょう。地価が上がっている様ですから。
国際通りは雨の日ということもあって、アーケード下を観光客がたくさん歩いています。圧倒的にアジアの人が多いですね。きれいになった牧志の公設市場も寄ってみました。伊勢エビの交渉している中国人、此れから2階の食堂で捌いてもらうのでしょう。食堂も昔と違ってきれいになりました。きれいになった分、価格帯もずいぶん上がりましたねー。すっかり観光客向きの施設になりました。
沖縄らしい熱帯魚みたいなカラフルな魚、爪と鳴き声以外は全て食べ尽くすといわれる豚は、さすが部位が豊富に並んでいます。ミミガーは耳、チラガーは豚の顔の部分です。食文化の違いは市場を観察するに限る。見ていると面白いです。ただ、建て替え前はもっと賑やかでしたね。お店の数も減ったまゝ。
国際通り界隈の商店街もお店の入れ替わり激しく、所狭しと並ぶ派手なパッケージやTシャツの店などがなくなってきて、内地のチェーン店が増えました。24時間営業のコンビニの品揃えが充実しているから、個人商店が売れなくなってきているのでしょう。繁華街の貸し店舗は家賃も高そうですし、厳しいですね。
もう麺がなくなってお昼過ぎには終了してしまっていましたが、地元で有名な沖縄そばの店も店主の高齢化が理由で72年の幕を閉じるそうです。ドルやセントで支給してきた歴史ある店なのだそう。沖縄ならではです。
おんなじ階にある再生吹きガラス工房、首里織工房、紅型染工房、琉球漆工房は継続するとのこと。各工房では、誰でも予約制で沖縄工芸体験ができます。
漆工房に勤務されている「木彫り屋」森長さんとお会いしました。
そして、壺屋のやちむん通りから少し離れた住宅街に移動。
鮮やかな赤絵が美しい壺屋焼の「健陶藝」新垣さんの工房にもお邪魔してきました。制作工程を丁寧にご説明頂き、赤絵を発色させるには合計3回焼成しなくてはいけない大変手間とコストがかかる仕事だとわかりました。しかし壺屋焼独自の赤色、魚紋、やっぱり沖縄やちむんの代表的な作風として魅力的です。此れからも伝えて頂きたいです。ご夫婦お二人だけで制作されて、お忙しいながら新作にも意欲的でおられます。弊店でご紹介するのを心待ちにしています。
本当に多彩な伝統工芸が根付いた沖縄ですが、観光地として発展してゆく現在、県と市の下支えの歯車がうまく噛み合ってきていない気がしました。
那覇空港に近い小禄駅から少し離れた場所に、立派な「おきなわ工芸の杜」という文化センターができています。立地条件を考えれば、目的がないとまず利用することはないかと思いますが、手わざの体験や工房の貸し出し、ものづくりに携わる人との交流を目的としています。とても広い施設です。
作って販売するルートを個人でうまく確保できる人は良いですが、広く一般の消費者の目に触れるご縁を待つだけでは厳しい状況になってきています。後継者問題よりもむつかしいかもしれません。沖縄という島は、琉球王朝時代前よりアジアの国々との文化交流が盛んで、個性的な文化を育んできた土地なので、今後どの様に変わっていくのかとても気になります。京都で沖縄の手わざをご紹介する商いをしているだけに、他人事とも思えませんね。(ほな京都はどうやねん?と、返ってきそうですが…)
沖縄おばんざいから沖縄そば、定食など良心的なお値段で戴けます。来島すると、必ず一回は食べに来ますね。まさに、ふる里の味。素朴であっさりした沖縄料理です。
ただ、残念なのはうつわです。テカテカで薄いのです。沖縄やちむんと思いきや、裏を返せば「美濃産」です。業務用でコストがかかるのはよく理解できますが、できれば正統派のやちむんで戴きたいなー。
特におススメ。ソーメンたしやー。チャンプルーじゃないんです。各家庭によって作り方に違いがあるのでしょう。見た目は何てことないシンプルな素材ほどむつかしい。
米味噌と魚のアラの出汁が島豆腐に沁みて絶品 大盛り魚汁
どれもこれも美味しくて、観光客居ない静かなお店で正解でした!
あまた沖縄たより、まだまだ食べますーー
いえ、文化をご紹介していきますーー
by mottainai-amata
| 2024-06-25 18:58
| クラフトあまた沖縄たより
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