紅葉の奈良にて。 |
お客さまが母娘で素晴らしい展示会を開いておられます。奈良県立美術館の西側にある奈良文化会館にて、今日は最終日。毎年此の時期に開いておられ、ご丁寧に案内を頂くのですが、なかなか参上できませんでした。来年文化会館が改修工事に入る様で、今年を逃しては2度と拝見できないかも?と、思って初日の一番乗りに伺いました。
広い会場にて親娘展、10年ほど毎年頑張って開かれているそうです。
さすがー!ずらり並んだたくさんの作品は見応え十分でした。
書の作品を出品されるお母さまは卒寿をお迎えです。「今まで大きな作品ばっかりだったから、小作品はまだまだ始めたばっかり。小さい字が書けるようにこれから勉強!」と仰る。私も見習いたいけど、まだまだ先は長いなー。笑笑
内田(娘)さんの刺し子作品は、ご自分が気に入った建築物をお軸の様な長方形に刺しておられます。方眼紙のマス目が入った生地にチャコペンで当たりをつけて、ひたすら糸を刺して制作されます。此の構図に収めるためにデザインを再構築なさるので、写真で見ているプロポーションと変わることもあるそうですが、上下の帯状のスペースに施された花や連続模様のデザインと一体感が出る様に工夫なさっています。最近の作品は建築物の素材や雲や空の表現に力を入れて、遠近感をも感じる迫力のある作品を目指しておられます。
一つの作品を作るのに、朝から晩まで休まず刺して2週間だそうです。
毎年発表されている母娘展、たくさん元気頂きました。有難うございました!
久しぶりの奈良散策。
お天気も良く、紅葉も始まって自然のグラデーションが美しいです。
何時も通り過ぎるだけの公園感覚だった法相宗 大本山興福寺をゆっくり見学。修学旅行生と鹿に混じりながら、「東金堂」の銅造 日光月光菩薩立像にうっとり。かつては猿沢池、餅飯殿通りをも含む大規模な寺院でした。今でも奈良公園と隣接して、阿修羅立像などの国宝、重文の文化財を現在に伝える立派であることは間違いないです。
拝殿脇の金柑がたわわに実っていました。横でおじさんが杖を持ってゴソゴソ。フェンスの下から落ちた実を転がして集めておられました。上から千切って取るのは、さすがに憚られると思われてでしょう。しかし、熟れ過ぎるのはもったいないくらい実ってますよ。
県庁前から市内循環バスに乗り、バス停砺石(わりいし)で降りて、私の好きな高畑方面をブラあまた〜
バス停前の手打ち蕎麦「観」さんは、店内に所狭しとそば猪口、茶碗が並んだインテリア。地震が、、、其れは考えない様に。うちと一緒。笑
此の日は「鶏南蛮の値段で鴨南蛮をご用意できますが?」と、オススメ頂きましたのでもちろん鴨です!お出汁も濃い目で、まさにお酒のためにある様な鴨南蛮でした。
お品書きに「グラス(小)」と書いてありますが、いやいや、大きなコップ酒ですよ!地元は纒向古墳近くにある豊澤酒造の「貴仙寿 純米」。お蕎麦に合って美味しかった。
知る人ぞ知る奈良の名所「頭塔」をご存知でしょうか?
ちょうど予約なしで見学できる秋の特別期間でした。
南側の森になった部分にまだ発掘されていない石佛があるようです。こんな風にきれいにスロープができる前、頭塔の隣にあった旅館の庭先からコッソリ見る時代が長かったから、私は変わり様にビックリ。旅館はいつの間にか廃業して、今は更地になっているので頭塔がバス道から丸見えになりました。知る人ぞ知るではなくなったかな。実は日本でもかなり珍しい貴重な土塔です。世界にはお釈迦様の仏舎利塔(ストゥーパ)がありますが、、また違う、磨崖佛みたいですね。
奈良で好きなお寺の一つ「新薬師寺」
本堂、本尊 薬師如来坐像、十二神将立像、全て奈良時代のもので国宝指定です。本堂の中心にこんもり盛られた円形の土壇、ぱっちりして眼のお薬師さん、周りで守る十二神将、全体のサイズ感が素晴らしく、此の空間は見ていて飽きません。円柱に遺る極彩色の跡を見ると、聖武天皇の病気平癒を願う光明皇后の祈りが届く様に、荘厳な絢爛豪華な寺院として建てられたのでしょう。
今西家書院を併設する「春鹿酒造」では新酒の試飲を楽しみ(神さまが数多在わす奈良も酒どころですね)、「奈良ホテル」にて豪華な内装、こんもりした若草山が借景の紅葉の庭を眺めてコーヒーで一服。観光地として少しづつ変わっていくならまちを通って、近鉄奈良駅まで〜
奈良らしい素朴な町並みを眺めながら、気がつけばよく歩きました。
また京都とは違う建物探訪を感じる小春日和の善き一日でした。