ブラあまた 宇治ツアー、先日アメリカからみえた友人ご夫婦をご案内。
今回は宇治在住の弊店のお客さまが最強のコンシェルジェ、英会話のほうも
おもてなしのお心遣いもお助け頂きました。有難うございました。
空は何時雨が落ちてきても不思議じゃない、重たい梅雨の空。しかもサウナ
なみの湿度です。あっぷあっぷしながら、宇治橋を渡って出発ーーー
何度も京都へ来ているご夫婦ですが、今回初めての宇治。
お決まりの橋のビュースポットで記念撮影。今朝までの大雨で、宇治川の水は
倍増。流れは速く、龍でも出てきそうな緑の川面。落ちたらアウトよーーー

源氏物語 宇治十帖編で有名になり、「源氏物語ミュージアム」も建設されました、
アメリカンでもご存知紫式部さん。とってもお若い姿ですね。
平等院鳳凰堂参道になる此の辺りへ来ると、アジアの観光客ばっかり。
朝から抹茶スイーツ食べながら歩いたり、写真撮ったり。。。
しばらくこないうちに観光地化が進んで、宇治市も誘致に積極的バックアップ
体制。至る所、町並みがきれいになっています。其れは良いことですけれどーー
橋の向こうの高層マンション群、あれは良くないですねーー

改修工事終了後の初めての国宝「平等院鳳凰堂」
創建は藤原の御代、鳳凰堂(阿弥陀堂)は、天喜元年(1053)に完成しました。
池に映る朱塗りのすがたは、東に面して建てられ、西方極楽お浄土を表し、
建物はつばさを広げた鳳凰の様。
アメリカンご夫婦には、予習にて、¥10コインのシンボルですよ、と紹介
しておきましたが、実際はこんなに大きいとは思ってなかったみたい。

雨上がりで、池の水の深さもほどほど、蓮の花が咲いていました。
阿弥陀如来像がおわす鳳凰堂は、内部改修工事中で叶わなかったのですが、
2013年にできた新しい宝物館「鳳翔館」をゆっくり鑑賞しました。
鳳凰堂の極彩色の内部を再現した展示、国宝の「空中供養菩薩像26躯」を
常に近くで観ることができます。菩薩さま、天女の合唱隊、地蔵菩薩さま、
総勢52躯が鳳凰堂の壁面を飾って、阿弥陀来迎図にあるような景色を、
実際に表現したのでしょう。
何れ一つとしておんなじものはありません。穏やかな慈悲深い表情、繊細な雲
の台座、素晴らしいですね。色が朽ち果てていても想像力をかきたてます。
先日来、十一面観音さまにご縁があります。此処でも、ふくよかな平安時代の
作が安置されていました。
本来収められていたであろう「観音堂」は、鎌倉時代の重要文化財。ほとんど
の観光客が通過してしまっていますが、今日コンシェルジェに案内をして頂いて、
なるほど、唐招提寺にも似た風格。堂々とした存在感を感じました。
一行は宇治川の中之島を目指し、橋を渡りましょう。雨上がりの美しい緑、
烟る山並み、苔生した石垣、豊かな川の流れには朱色の橋が相応しく、スカッと
きれいになった公園もブラ歩きにはよいですね。アメリカンご夫婦、鵜飼の鵜に
反応してます。来日は嵐山でも一泊されたので、鵜飼を見学したそうです。
かつての平安極楽お浄土の理想郷、源氏物語の舞台、京都市内とはまた違った
さまざまな歴史を感じます。中之島にある国内最大級の15m「十三重石塔」
韓国のプロポーション、きれいな傾斜でした。翌日お知らせ頂いたのですが、
大雨の対策で、天ヶ瀬ダム放流、中之島は通行禁止になったそうです。
タイミングの良かったこと!梅雨の間の奇跡的なお天気でしたーー

川沿いを歩いて、石垣に脇を固められた坂道を上がる、「興聖寺」までの緑の
アプローチ、静かでなかなかの雰囲気。紅葉シーズンもきっとよいでしょう。
立派な石が使われた苔の石垣、何処までも続きますーー
発祥は1233年、中国から帰朝した道元禅師が、伏見深草に日本で初めて建てた
禅宗寺院で、1649年、この地に再興された曹洞宗において最古の寺院です。
山門をくぐり、枯山水の庭を眺める大書院、伏見桃山城の遺構を用いて建立
された法堂、聖観音菩薩立像を祀る祠堂殿、開山堂、坐禅の道場となる僧堂
など、ぐるり回廊で繋がれた広いお寺を見学できます。
観光客が少ない隠れた名所ですが、ちょうど去年の台風の被害をきれいに修復、
掃除なさっていて、これからは観光ルートになりそうです。今は隅々に見学
させて頂けましたが、次回はどうかしらん。
さすが地元コンシェルジェさんのオススメ寺院でした。

続いてオススメの地主神社「宇治神社」二社一体の世界遺産「宇治上神社」
神仏習合、宗派も越えて、歴史遺産を巡ります。
宇治上神社は、御神体となる朝日山に向かって拝殿、本殿が建立されています。
蔀戸のある、平安時代の神殿造りの遺構です。昔の日本人はこんな建物で生活
していたのです。夏はともかく、冬は耐え難い寒さだったでしょうねーーー

宇治といえば、朝日焼、炭山陶芸のある、焼物の町です。
歩道に面した豪邸の門扉に使われていたのは、登り窯焼成のための陶芸道具、
サヤ・ツクなどのリサイクル。一つとして無駄なものはナシ。

せっかくですので、きれいなギャラリーになった川辺の「朝日焼」へ。
代々茶道具作りで有名ですが、現代の生活に合ううつわも展示されています。
アメリカンご主人、感性に響いたよう。記念にぐい呑みをお買い上げ。

とても良いお茶体験ができるお茶室を教えて頂きました。