『絵画の愉しみ、画家のたくらみ』展 京都文化博物館

仕事の合間をぬって、京都文化博物館の『絵画の愉しみ、画家のたくらみ』展。

京都新聞社会から券をもらったので行ってみたのですが、

<絵の見方がよくわからない…そんなあなたに、絵画を愉しむコツ、お伝えします>

という案内からして、どうかなぁ？？

と思ってたら、何の、なんの。広島県廿日市市にある「ウッドワン美術館」

のコレクションから約90点。総合健在メーカーウッドワンが維持している

公益法人美術館は、行きたいと思いながらアクセスが不便で、まだ足を運べて

いない美術館。森林の中にあるような美術館。

ウッドワン美術館HP

今回の出張展覧会、明治〜昭和の油彩画、日本画が美術の教科書のように

並んでいました。

会期は3日まで。金曜日は19:30まで。(夜間開館入場者先着30名ポスタープレゼント)代表的コレクションである岸田劉生「麗子像」に因んで、お名前が「れいこ」さんは、何時でも小学生料金¥400だそうです。

京都文化博物館HP

私の好きな藤田嗣治の作品が３点、特に幅10m超もの大壁画「大地」は、

1934年に銀座にあった、ブラジル珈琲館宣伝所の依頼で描いたものらしい。

当時の制作には、東郷青児や鶴田宏ら友人らも駆り出されて、背景の空色を

描いたとか。

書き割りの如し、あんまりの大きさに藤田もアンしたかもしれませんね。

ウッドワン美術館の門外不出といわれている大作。観られてよかったです。

もし、こんな迫力のある絵が飾ってある喫茶店があれば、コーヒー飲みに通いたい。

かつて、京都の京大の近くにある「日仏会館」レストランル・フジタにも、大壁画が

掛けられていたのですが、現在は京都国立近代美術館にて保管されています。

時代ですね〜。ペラペラの内装ですぐ居抜きで使えそうな店舗ばかりができる昨今、

もっとインテリアにこだわりが欲しい。

展覧会では、横山大観、竹内栖鳳、黒田清輝など巨匠が描く日本近代絵画の

名作が並んでいます。展示の仕方も「動植物画」「歴史的題材画」「裸婦画」

といったモチーフごとに、さまざま作家の絵を比較しながら観られるように配置。

久しぶりに鴨居玲の作品も観られてよかった。「Dice」博打の臨場感が伝わる

彼の得意な赤と黒の世界。

2階では特別展『木島櫻谷の世界』展(12月24日まで)

お師匠の今尾景年の作品も含む約30点。京都の名家大橋家(現 株式会社千總)が

収集してきた貴重な旧大橋家資料が、去年京都府に寄贈されました。

中でも四代目 大橋松次郎は、近代絵画のコレクターでした。木島櫻谷とは、

生家がおんなじ町内だったこともあり、旅行先からは必ず絵葉書をやり取りする

ほどの交流の深さだったようです。

「タヌキの櫻谷」とよばれていたそうですね。

タヌキの絵が多いから。

そんなこともない、富士山や瀑布の水墨画も綺麗でした。

会場に目録がなかったので、カウンターで尋ねたら、恭しくもクローゼットから

立派なカラーのリーフレットを出してくださった。言ってみるもんですね。

せっかくこの展覧会のために作られたのに、もったいない。

ありがたく参考にさせて頂きます。

泉屋博古館のコレクションとはまた違った作品群、陶器に絵付が施された作品が

あり、土瓶と絵替わり茶呑茶碗、絵替わり火鉢が展示されています。

磁器は京焼でしょう。さすが写生の櫻谷、良く筆が走った慣れた絵付です。

遊びで始まったのかもしれませんが、画家が作陶家の工房で絵付をやってみたり、

画家の図案を元に漆器作品を作ったり、面白いコラボレーションが生まれました。

売れ線を狙って作るというより、愉しんでる感じが伝わって来て、昔のコラボ

レーションの方が味がありますね。

いづれにしても、行ってみないとわからない。。。。

バタバタと、夕刻駆け出して観たことが、最ももったいない。

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