2016年 03月 15日
珈琲屋さんで知的探訪『北海道手仕事のおはなし2』終了ご報告 |
3月2週目の日曜日、お天気はいいですがまだ冬風です。
関西の春は奈良のお水取りが終わってからよ。と言われます。
本日も夜から冷たい雨の予報。
きました自家焙煎コーヒーカダナさんでの『手仕事のおはなし』の会。
足かけ6年続けてきましたが、どの開催日もおかげさまで雨降りで難儀した
記憶はないんです。晴れ女パワー健在⁉︎
瀬川さんは、初代メンバーでしたが、産育休が間に挟まり、後半奇跡の復活を
遂げた方。実は3人の方のバトンタッチがありました。
何時も皆さんにお集まり頂きまして、有難うございました。
お隣同士仲良くなって頂いて、ご縁が繋がり話(輪)も広がる。。。。
本来なら羊肉なのでしょうが、好き嫌いがあるかもしれないということで
豚肉になっています。レシピはカダナさんの北海道在住のご友人のアドレス。
「ベルという会社のジンギスカンのタレがメジャー。週に一度は必ず食べる
ジンギスカン。匂いが籠るので、家で食べる時は寒くても窓は全開にする。
豚肉だと匂いもそれほどではないので、豚肉はよく食べますよ。北海道を
語るのなら、ジンギスカン抜きではあり得ない」そう言われた。
と、いうことでこの一品。
もやしと玉ねぎは、タレに絡めて炊きたてのご飯に載せても美味しいですね。
付け合わせのサラダにはスモークサーモンが載っていて、フルーツビネガーの
効いたドレッシングが合います。この特製サラダは、カダナさんがカナダの
レストランで働いておられた時の代表サラダだったそうです。北海道とカナダは
似た点が多い。そんな想いから。
道北、道東など自然豊かなカントリーサイドのご紹介。そして食文化。
国内生産量NO1の産物が多い北海道。カレーの3大具材はどれも1位。ですが、
スープカレーが名物だったり。十勝あずきやバターにミルク、お菓子の材料も
安くて新鮮ということで、はなしは尽きません。
私もお客さまから「小樽は餅のお菓子が多い」という情報を頂き、高山菓子舗
という老舗のお店には、白と黒の餅を別々に蒸してくっつけて作る「べこ餅」
が名物だと知りました。牛の斑からきたネーミングでしょうね。おもしろ。
一時はネットで予約待ちだったキャラメルも、今はスムーズに購入できます。
ブームはコワイ、コワイ。味は変わらず、クリーミィで美味しいのですけれども。
わかりやすく3つの工芸と3つの街が結びついていることに気づき、
「ガラスの街 小樽」「家具の街 旭川」「やきものの街 江別」
調べているうちに、いろいろ発見がありました。
手仕事が興って町おこしといいますか、地場産業や観光都市として特化した
成功例の街が、この3箇所だと思いました。
小樽は「北のウォール街」とよばれたほどの経済の中心地だった明治〜昭和初期、
御殿が建つほど栄えた鰊漁がきっかけでガラスの需要が高まります。必需品と
なった「浮き玉(ブイ)」と「石油ランプ」が飛ぶように売れました。
大阪でガラス製造を学んだ浅原久吉が1901年に開業した「浅原硝子」が代表です。
のちに鰊漁が落ち込み、ガラスからプラスチック製に取って代わる浮き玉、
石油から電気に変わるランプも売れなくなり、浅原硝子は現在の「北一硝子」に
経営体制を分離化します。北一硝子は工芸ガラスの製品作りに転換しました。
小樽の石造倉庫群をリノベーションし、道外からもガラス工房を誘致して
「ガラスの街」のイメージ作りに社会貢献します。
の技法で模様を浮かび上がらせています。
して使用した「アイヌ玉」があります。
ちょうど今「国立民族学博物館」にてアイヌの歴史特別展開催中です。
家や生活具を作るようになったのが、旭川の街の始まりです。内陸の寒冷地で
乾燥した気候は、木材を保管するのに大変適していますので、世界中から良質な
材料が集まるようになります。1949年旭川家具事業協同組合が設立され、
世界に発信する「家具の街 旭川」を目指してトリエンナーレ「国際家具デザイン
フェア旭川(IFDA)」が開かれます。「フェアウッド」「旭川・家具づくりびと
憲章」など独自の方針を実践していきます。大きな立役者となったのは
「株式会社カンディ・ハウス」の創業者故長原實氏。
開拓時代から近代建築が作られ、洋家具の需要があった北海道でしたが、今は
玩具や身の回りのクラフト商品も盛んに作られています。「旭川家具センター」
では常時32社の1700製品を展示して、体感できるようになっています。
呼ばれるほどの熱心な研究者で、京都市立陶磁器試験場で学んでいた時代は、
河井寛次郎や濱田庄司とも交流があったそうです。
「江別市セラミックアートセンター」で開かれた小森忍遺作展の図録を見ると、
陶磁器万国博覧会のような多彩な作品が載っています。南満州鉄道株式会社に
就いていた時代、中国をはじめアジア各国の窯業の研究ができたことが
大きかったようです。ある意味、陶磁器の開拓者だったのですね。
東北〜北海道地方には、関西以西では見られない多彩な土偶が出土しています。
特に仮面については、北の地方にしか出土例がありません。
大らかで人間味溢れる土偶のデザイン。やはりここに日本人の焼物に対する
愛慕があるのではないでしょうか。
3つの街の近代史を読むと、必ず「斜陽」という言葉が浮かんできます。
太宰治ではありませんが、都市の盛衰というのは全てヒトが創るものです。
エピソードや名物をアピールしてもらいました。はい、メモ、メモ。。
余市のマッサン効果でウヰスキーでもよかったのですが、白昼ですから
ワインで乾杯しました。熟成した美味しいワインでした。
長らく『手仕事のおはなし』をご支援賜りまして有難うございました。
いつも貴重な器コレクションを拝借致しましたAさん、
自宅にある贅沢さ、資料豊富なあまた文庫の寄贈はHさん、
もちろんご参加頂いた皆さんも。
ご協力なしでは続きませんでした。有難うございました。
またいつか、面白い知的探訪に出かけましょう!
by mottainai-amata
| 2016-03-15 18:26
| 珈琲屋さんで知的探訪
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