2016年 01月 27日
藤井勘圿展画集「マシラ」刊行記念 |
とあるご縁ございまして、弊店にて飾らせて頂いてます
ちょっとシュールな貴公子を描いた日本画。
作者は藤井勘圿さん。1947年兵庫県氷上郡ご出身、小松均氏に
水墨画を師事されて、現在京都市在住。
藤井さんが、京都の嵐山にある岩田山に通いつめて、25年間も描き続けて
こられた猿の作品を一冊にまとめられた作品画集「マシラ(日本猿)」
が刊行されました。
その記念展覧会が、昨日から京都文化博物館5Fにて始まりました。(2/3まで)
高島屋6F美術画廊でも今日から(2/2まで)同時開催です。
どちらも入場無料です。
ちゃんとした展覧会を拝見したことがなくて、とてもが興味深く足を運びました。
墨と赤と金箔の使い方がとても斬新でした。筆を使った猿の毛の描写、
身体の面を取るぼかし、かんたんなようですが描けるようで描けません。
遠近感や多彩色に頼らず、線と面で描かれた画面から、猿の親子の愛情の
温かい空気までもこちらまで伝わってきます。
お猿さんの作品ばかりではなく、とてもモダンで斬新なタッチの「ダイコン」
「ハスの花」などの作品も、対比が面白く拝見しました。
人物画はさすがに一点もなかったですが。。
弊店の貴公子サマ、前作とは伺ってましたが、かなり貴重なモノかもしれませんよ。
お近くにお出かけの際は、ぜひご高覧ください。
で、文博にてもう一つのお楽しみ。
昨日は小津安二郎監督の「紀子三部作 麦秋」
ここのシアターは、懐かしの珠玉のいい映画を一上映¥500で鑑賞できます。
常連ファンの皆さんは、ご近所のご年配方ばっかりですが。。
突然イビキが聞こえたり、笑い声が聞こえたり驚かされます。
1951(昭和26)年の鎌倉、東京の様子が、行ったり来たり交差して良かった
ですね。去年、観光地鎌倉を訪ねましたが、60年でこんなにも様変わりする
のですね。しっとり落ち着いたこの映画に登場する鎌倉の面影を胸に、
原節子さんは引退後亡くなるまでひっそり暮らしてらっしゃたのでしょうか。。。
明治生まれのウチのお爺ちゃんの口癖
「女というものは、原節子のようでなくてはならぬ」
それほど日本女性の代表格だったのですね。
でも今から見れば、原節子さんってとっても西洋風の美形です。
大和撫子とはまた違う魅力です。
個人的には、お喋りでお節介焼きの杉村春子さんの存在感も好きですが。。
小津安二郎監督の細かな小道具選びにも目があちこち移って忙しく、面白く。
鳥取民藝の木製和紙スタンドや、益子焼の土瓶、飲みっぷりのいい原節子が
手にする色絵磁器のお銚子、可愛らしい花柄のセーター。。
モノクロなのに(だから?)、より一層鮮やかな色彩を想像させてくれます。
最近ハリウッド映画を観て思ったコト。
主人公がユックリと食事するシーンが出てこない!
そして、喫煙のシーンがなくなった。
展開が早すぎて、ノンビリした食事シーンは割愛!
タバコは健康促進のためタブー!
なのでしょうか。
小津安二郎の映画には、三度の食事のシーンが必ず出てきます。
腰を落ち着けて家族や大切な相手と、ユックリ食事を摂るということは
平和な時間を描く映画だから。。?
喫煙のシーンには、巧みな場面展開と、大人の世界を表現しています。
さらに映画のなかには、平等に子供の世界もあるのです。
よく使われる空を見上げるシーン。こちらも季節の移ろいと
心情を見せる重要な意味を秘めています。
いよいよだんだんと、
映画の世界でも見上げる空は狭くなってきました。
by mottainai-amata
| 2016-01-27 11:31
| 観てみよう展覧会
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