2015年 11月 19日
「北海道手仕事のおはなし」勉強中 |
やっとお天気が回復しました。しばらく暑かったぐらいでしたが、
肌寒い平年並みの気温に戻ったようです。
北海道の友人も東京などに寄りながら帰路に着き、故郷は2℃だそうです。
日本は狭いですが長いですね〜〜。
今月末、自家焙煎コーヒーカダナさんで開きます「北海道の手仕事のおはなし」
<11月29日(日)12:30〜ご当地ランチ付き詳細はこちらです。>
タイミングよく資料をご協力頂き、北海道民の声を聞くことができました。
おはなしの会で、私がご紹介しようとしていますテーマのひとつが、
「アイヌの手仕事と日本の関わり」です。大きなテーマすぎて、つまみ食い
しただけでは役立たずなのは、重々承知ではあります。が、昔から工芸品や
民具に込められた独特の文様などに興味を持っていましたので、この機会に
調べてみようといろいろ資料とにらめっこして、レジュメ作りをしています。
ごそごそしてるうちに、面白い書籍を見つけました。
暮らしてきた民族といわれています。
自然と共生する魚狩猟・採集の生活を基盤としていましたが、近代化に伴い、
江戸時代中頃から松前藩による支配、明治以降の廃藩置県による同化政策などで、
独自の文化は迫害にあったり、差別を受けるなどの苦難の道を歩んできました。
大きな特徴として、アイヌ独自の言語を持っていたことが挙げられます。
アイヌ語は日本語とは異なり、口承文化(ユーカラ)によって生活の知恵や教訓を
後世に伝承していきました。
その表現の一環として、歌や踊りで喜怒哀楽を伝える。儀式の時に祖先や神々に
敬意や感謝を表すことを大事にしてきました。
アイヌはすべてのモノに精神が宿ると考えていて、動植物などの自然は神(カムイ)と
して崇め、すべてのモノはカムイシモリ(神の世界)から、それぞれの役割を果たす
ために、アイヌシモリ(人間の世界)に降りてきた借りモノである。役目を果たし
終えると、またカムイシモリに戻っていくと考えていました。
ですから、モノを無駄にせず、自分たちの必要な分相応の量だけを大事に
活かしました。
生物のなかで「火」を操れるのは、人間だけである。という縄文文化の名残を
とどめ、アペフチカムイ(火の神)に祈りを捧げ、信託を受ける習慣があります。
上の本の「声とかたちのアイヌ・琉球史」は、日本列島の両端に追いやられた
縄文人のDNAの共通項を、神を拝む手の動作や、火の神(沖縄ではヒヌカン)を
崇める、聖伝や祭祀歌などの読み解きなど項目を挙げて比較検証する内容でした。
アイヌの口承文芸である神話や物語と、琉球史に残る「おもろそうし」を
比べた文章などは、とても面白い。どちらも素朴で、万葉集に重なる気が
します。
骨太で毛が濃くて彫りの深い顔立ち、日本語にない発音、アルコールが強い。。
どこか似た性質を持つ両端の人びと。
もう一冊の「アイヌ文化への招待」は、女性の著者からの視点でアイヌ文化を
綴った本。
アイヌの家族や針仕事を欠かさない女の人生や、子供に聞かせた昔話、
樺太地方の金谷フサさんの伝統食やアイヌの酒造り(静内・阿寒)など。。
沖縄のオバァの生活にも通じるような点も多々アリ。
奥深いアイヌの文化について、私なりに沖縄と比較しながら、会に参加して
頂いた方に少しでも関心をお持ち頂ければなぁ。という北海道アイヌの手仕事の
おはなし。乞うご期待。
北海道の友人は「子供のころにアイヌについて学校などで知る機会があったけれど、
なんとなくオッカナイような感じがして、差別化していたわけではないけれども
自分たちとは違う人種という感じに思っていた」
そう言っていました。
アイヌ文化について調べてみると、道内にたくさんの研究施設や資料館があります。
実はこんなに積極的に紹介されているということが意外でした。
関西にいると、全く無関心なまヽで過ごしているということを知りました。
*文中の文字の_アンダーラインは、アイヌの発音の表現ができなかった部分です。
正しくは、小さい文字になります。
そして、いつも貴重な焼物の資料をお借りさせて頂いておりますコレクターのAさん
から、またまた希少なよい器をお預かりしました。
「北海道には焼物はないよ」そう言う方もいらっしゃるのですが、
確かに耐火土が少ない土地なので、全て材料を賄うのは厳しいようです。

by mottainai-amata
| 2015-11-19 17:05
| 珈琲屋さんで知的探訪
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