美術館鑑賞レポート |
朝は風は強いけどいいお天気だったのに、昼前から
暴風雨に霰、またはお天気…観光客も翻弄される一日。
せっかくの三連休。明日から気をとりなおして……
久しぶりに美術館巡りレポート。
ぜひ観て頂きたい展覧会。

数年前に修復された大阪中央公会堂は、イベントてんこ盛り。
卒業式のシーズン。大阪はめっちゃ元気な卒業式。
目立つ袴姿も「ぎゃははー」の笑い声も、向かいの美術館まで届いてまんがな。

こちらは、大阪東洋陶磁美術館「定窯ー窯址発掘成果展」
淡々と静かな一級品の陶磁器に浸る至福の刻。
ただし、今週23日(日)までです。
宗代五大名窯のひとつ、河北省保定市に位置する白磁窯ー定窯
「牙白」と呼ばれる象牙のような白色(アイボリーホワイト)を特徴とする
気品ある定窯白磁の、謎とされていた製造過程の分析や形態の変遷を、
窯址から探る展覧会。
かつて、陶磁器研究者の小山冨士夫が戦弾を避けながら調査に向かった。
拾って持ち帰られた貴重な定窯の陶片を贈られた、故塚本快示はその断片から
影響を受け、青白磁陶芸家として人間国宝の称号を受けました。
聞いてるだけでもマニア受けの展覧会のように思えますが、
なんの一般の多くの方の来場ありし。
きれいに修復された発掘品と、美術館の安宅コレクションの完品と、
塚本作品のそれぞれのアイボリーホワイトを比べ、
時代を超えた美を愉しみました。
そして、この美術館のお楽しみ。
李乗昌の韓国陶磁器のコレクション。何度観ても素晴らしい。
今回は沖縄帰りだったからかもしれませんが、やちむんのフォルムは、
旧い韓国のフォルムと重なるモノが多いと実感しました。
碗、壺、花器…肩の張り具合などよく似てます。





中之島界隈散策中。
近代建築の「ダイビル」リノベーションされてこんな風に活用されてるのですね。
1、2階部分にインテナント。高級感を売り物にしたレストラン。
さっき陶片を修復された美術品観てきたから、ビルも遺物に貼り合わされた
パッチワーク産物のように見えてくる。こんな形でもやはり遺すことが大事?

国立国際美術館「ANDREAS GURSKYアンドレアス・グルスキー展」
(これは写真か?世界が認めたフォトグラファー、日本初の個展)
面白いですよ。
とにかく大きな作品を目の前にしてみないとわからない。
鑑賞者が、作品の連続のように見えてきます。
このアングル、どこから撮ったらこうなるの?!
現実と虚構の世界の境目がわからなくなってくる作品。
大阪を歩いている私は、現代なのか過去なのか、夢か現か幻か…………!



紅い人でお出迎えしてくれる展覧会。
今日から始まりました 京都国立近代美術館にて
「日本ファッション:不連続の連続展」(~5月11日)
20世紀に世界から注目された「日本ファッション」を現代までたどる展覧会。
エントランスは、イッセイミヤケの作品。
先日レセプションパーティー

大勢のアパレル関係の方が集まる個性華やかなパーティー。
ご挨拶にお久しぶりの、現大原美術館館長 高階先生も。



で、いつもと違う「玉乃光」日本酒の乾杯。
そう、京都が提唱した「乾杯条例」に基づき。
まして公示された知事選選挙活動中の現山田知事が、一瞬お立ち寄りに
なったものだから、山のようにチーズを削り取る職人がいても、
日本酒と水と、ネスレ協賛コーヒーしかありません。悪しからず。

可愛らしい器に入ったオードブル、あっという間に空のミニマル・アート。

モードの変遷をファッション・ショーの中で見ているような立体的な展覧会。
日本文化をもっとさりげなくアピールしながら、美術品として観せる
自由で機能的なファッションの世界。
繊維と人間の関わりまでも掘り下げて、考えさせてくれる刺激がありました。
4階の併設「チェコの映画ポスター展」も原作映画以上に興味深く。
そして、思わぬ発見だった生誕120年甲斐庄楠音の特集展示。
「デカダン画家」として有名ですが、若き日の洗練された作風に
魅了されました。風俗研究家としての衣装の描き方に、今回のファッション展の
共通項を紹介したセレクトだったと思います。
わー、女性の描き方でこんなに変化球を投げていた画家だったんだなー。
あの籐椅子に凭れかかる女性に、また会いに行きたいです。

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