風吹き抜ける工房 石垣島 読谷村 |
意外と多くのモノ作りの工房があります。
そのなかでも、陶芸工房が盛んです。
私が聞いた話では、25軒ほど。
沖縄本島では「やちむん」と呼びますが、石垣では「やきむぬ」
だそうです。面白いですね。
島から良質の粘土や陶石が採れる条件の良さもありますが、
何と言ってもこのロケーション、環境の良さ。
これは、作り手にとって大きなインスピレーションを与えてくれるでしょう。
太平洋と東シナ海が見渡せる展望台
島の北東の突き出た半島では、ぐるり周囲を周って海を渡るより、
陸道を移動するが早いので、ヒトが船を引いて渡る路ができているそうです。
石垣の西北部に位置する川平湾。綺麗な景色に集まるように、オシャレなcafeや
リゾートホテルなどが並んでいます。バブル期はスゴイ人気だったそうです。
そんな川平地区には、手仕事の工房が点在しています。
ルリハナカゴが満開のcafeガーデンでココナッツコーヒーを頂きながら。
母娘で「南島焼」を作っておられます、お母さんとゆんたく。
ここは山際に小川が流れ、緑豊かなジャングルのような自然そのもの、
まるで聖地のような精気立ち込める場所。
香川県出身のお母さん、京都市立芸大~ニュージーランドで陶芸を学び、
ご主人とこの地を開拓されて工房を構えられました。
京都時代は東山に住んでたこともあるそうで、
何故か、南島でヒガシヤマク地元民のはなしに花咲く…(笑)
「住み始めると決めた時は本当に何にもなくて、大変だったよー。
家も自分たちで造ってさー、ここに種まき、あっちに苗植え…
そしたらこんなになってさ。孔雀も寄ってくるよ。」
「く、孔雀?」「そうそう、畑を荒らして、大変よ。オスが目の前で
羽広げるのは、まぁーキレイだけどねー。」
所変われば、孔雀被害!
「この花、ウナズキヒメフヨウって言うんだけど、根元の蜜が甘くて美味しいよ。
花びらも食べられるんだよ。食べてみてよ。」
では、試しに。確かに甘い。花びらはシャリシャリでレタスみたい。
「ハワイなんかじゃ、サラダで食べるよ。このあいだ外国人観光客が、
木の下にたくさん立ってるから、何やってるか?と思ったら、花取り放題で
食べてるんだよ。ビックリしたね。」
風吹き抜ける野生の王国は、アゲハ蝶の大群来るわ、孔雀は来るわ、
ヒトまで寄ってくる。
そんな住まいと自然の境目がない生活から生まれでる手仕事は、
こんなに繊細で、素晴らしい絵付け。
磁器ならわかりますが、赤土でこれだけ多色を使いこなされるのは、スゴイ。
自然から切り取ったかのようですね。
すぐ近所で藍染されている母娘、三毛猫の工房は「愛布(らんぷ)工房」
石垣で藍を育てて、染めておられます。紅型体験もさせてもらえます。
冴えた藍の色が、あんまりにも綺麗で、思わず手に取ってしまう。
この環境で生まれる色が、本土の藍色とまた違うのかも。
川平湾が見下ろせる小高い丘の斜面にある工房。
心地よい風が抜ける、作業場としては最高の場所。
大きな扇風機があったので???
「台風の時だけ使うんですよ。締め切ってしまうと暑いからー。」
そーか。ナルホド。
藍色に染まった指先を大きく開いて、手を振って見送って頂きました。
本島に帰って来ましたよ。
目指すは読谷村「やちむんの里」
ここにも、風吹き抜ける工房があります。
稲嶺盛吉さんの再生吹きガラス「虹工房」
八角形の吹き抜けの工房は、今の季節ちょうど作業のしやすい環境。
今大人気の稲嶺さん、お住まいは昔の沖縄住宅。
なかなかお会いできませんが、息子さんが作業されていて、リズム感ある
無駄のない仕事ぶりを、しばし見とれておりました。
大抵吹きガラスは、連携プレー。流れ作業でこなします。
一気に水につけて冷却してヒビ割れ模様をつけたり、金枠に押し当てて
成形したり。。冷めて割れてしまわぬうち、瞬時に決めねばなりません。
暑い夏は、火との戦い。水と塩を摂取しながらの体力勝負。
海色・空色・珊瑚色……
こんなに涼しげで、綺麗な色になります。
あまたに、南の風届いております。
どうぞご覧ください。
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