2014年 03月 06日
沖縄食文化と硬水のおはなし その弐 |
今日は、啓蟄
虫もまた土のなかに戻ってしまいそうな 寒の戻り
薫る梅の花に 白い花びらのような小雪舞い落ちる
でも 真冬の雪とは何処か違う 雪景色
窓の外が舞台セットみたいなんだなぁ
沖縄の食文化のおはなしで、今回たいへん気になり出したのは、
人間の60%を占める 水
沖縄は、本島の中・南部地域は石灰岩層、琉球石灰地層になり、
地下から汲みあげる水は硬水。
カルシウムイオン・マグネシウムイオンを多量に含みます。
昨今は硬度低減化施設もあり、軟水器の普及などで本島内でも
浄水器を通して軟水を使用する地域が増えています。
サンゴ礁に囲まれた石垣島 言わずもがな地下水は硬水です。
山が豊富なので数件のダムから放水し、混合水にしています。
それでも、軟水に比べればかなり硬度の高い水。
ばんちゃんのご主人曰く
「鰹と昆布の出汁は、関西に比べると何倍もの材料を使わないと出ません。」
奥様は
「洗濯機の石鹸が、全然泡立たなくて引越ししてきた時はビックリでした。」
因みにお隣の宮古島、山もなく隆起したアイランドなので地下水は
完全アルカリ水だそう。
先に紹介した「宮古島=麦味噌 石垣=米味噌」は、穫れる作物の種類から
だけではなく、合う水によっての違いかもしれません。
お味噌汁なんて、水と味噌のみの食べ物ですから。
昆布に関しては、沖縄の食文化では飲むモノではなく、食べるモノ。
くーぶいりちー(昆布入り炒め)、ジューシー(かやくごはん)などに混ぜ込み
食べるので、国内消費量上位は不動です。
「三枚肉と野菜炒めの野菜そばとジューシーセット」
では出汁は?
出汁はモチロン、豚さんです。
ヨーロッパで食されるスープ、煮込み料理文化は理にかなっていて、
硬度の高い硬水で肉類を茹でた場合、余分なタンパク質などを灰汁として
抜き出し、肉は軟らかくして臭みを抜いてくれるのです。
沖縄の豚文化「蹄と鳴き声以外はすべて食す」といわれるほど。
ソーキそばの「ソーキ」は、鋤(すき)が訛ったそうです。
豚の肋骨が鋤に似てるからソーキ。肋骨の出汁そばです。
写真の「ソーキ丼と沖縄すばセット」のように、甘辛く煮たソーキも食べます。
ここの沖縄すば屋さん、毎年立ち寄るのが楽しみなのですが、今年は様子が
違ってました。14時前なのに、扉を開けると、お客さんナシ。
繁盛してるときなどは、<自家製麺は終わりました。>と閉店する時間帯なのに。
食べてみてナルホド。地元の人は正直ですねぇ。すとーんと味が落ちてました。
口は怖い怖い。
えー、脱線しましたが、沖縄の豚食文化もやはり硬水の性質から根付いた
影響も大きいのではないかな?と思うのです。
もうひとつ、南城市(沖縄南部)の陶芸家のお宅にお邪魔した時、
冷たいさんぴん茶を出して頂きました。
「これ、ビールですか??白い泡いっぱい上がってますケド?」
「何言ってるさー、硬水なんだから泡立つっしょ?」
えー、こんなに?そうか、今まで営業用のティーパックの薄いさんぴん茶しか
飲んでこなくて、温いのばっかりだったから気づかなかった。
濃い冷たいさんぴん茶、こんなに美味しいとは。
そして、硬水のおかげなんでしょう。この良い香り。
さらに、沖縄では欠かせない泡盛。陶芸家相馬さんのご自身の焼締酒器で一献。
京都に持ち帰った「八重泉」を水道水で割ってみて??
味がまぁるいんです。
試しにヨーロッパのミネラルウォーター「エビアン」で割って呑むと、
石垣島で呑んだ独特の臭みや米の味に近くなりました。
やはり食文化は土地に密接な関係を持ち、気候風土に適したモノが
残っていくのですね。
オリオンビールが水のようにさっぱりしているのも、暑い沖縄では喉越し
良くて飽きない美味しいビールです。
日本のミネラルウォーターの基準値とは曖昧なものですが、
ヨーロッパでは水源周囲の自然環境をも厳しく審査した上で、
数々の項目をクリアしなければ商標登録されません。
日本は軟水資源が豊富で、ただの水道水に添加物を加えたものを
ブレンドして飲まされている可能性があります。
ミネラルウォーター・硬度について
京都は特に、超軟水。軟水とよばれる基準の最低ライン。
それで、出汁文化・日本茶文化・日本酒文化の歴史が多様化しているのでしょう。
石垣島の最南端地元スーパーにて。
楽しい地産地消の食品の数々。
「もやし詰め放題100円」なんてのもユニーク。
ミネラルたっぷりの石垣島の土壌で育まれた野菜たちも、
紅芋みたいに野性的なのでしょう。
南のおやつ サーターアンダギーMIXだけでも、種類多数。
「はるみおばぁの黒紫米のアンダギー」生地が詰まって、もちもちしてました。
今話題の「石垣島日曜市」で人気の「カナっぱ弁当」
市では葉っぱのお皿に盛り付けて出されますが、平日はテイクアウトできます。
工房に帰って、スタッフの皆さんと戴きました。
献立は島の素材を使用して無添加。
紅芋のデザートは、工房で作られたペーストを加工されたものだそうです。
サーターアンダギーのもちもち感も、島らっきょの天ぷらのしっとり感も、
土地の水が作り出すモノですよね。
「シマ豆腐揚げだし」
「なーべらー(ヘチマ)チャンプルー」「ラフテー」
「アーサ天ぷら」
現地で食べるから美味しいモノ。
旅はおもしろいなぁーー。
大和に帰ってきたら、
泡盛はエビアンかヴイッテルで割ってくださいね。
沖縄風天ぷらには、衣の粉にビールを加えると
フリッター感が増しますよ。
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応援して頂けると嬉しいです。
虫もまた土のなかに戻ってしまいそうな 寒の戻り
薫る梅の花に 白い花びらのような小雪舞い落ちる
でも 真冬の雪とは何処か違う 雪景色
窓の外が舞台セットみたいなんだなぁ
沖縄の食文化のおはなしで、今回たいへん気になり出したのは、
人間の60%を占める 水
沖縄は、本島の中・南部地域は石灰岩層、琉球石灰地層になり、
地下から汲みあげる水は硬水。
カルシウムイオン・マグネシウムイオンを多量に含みます。
昨今は硬度低減化施設もあり、軟水器の普及などで本島内でも
浄水器を通して軟水を使用する地域が増えています。
サンゴ礁に囲まれた石垣島 言わずもがな地下水は硬水です。
山が豊富なので数件のダムから放水し、混合水にしています。
それでも、軟水に比べればかなり硬度の高い水。
ばんちゃんのご主人曰く
「鰹と昆布の出汁は、関西に比べると何倍もの材料を使わないと出ません。」
奥様は
「洗濯機の石鹸が、全然泡立たなくて引越ししてきた時はビックリでした。」
因みにお隣の宮古島、山もなく隆起したアイランドなので地下水は
完全アルカリ水だそう。
先に紹介した「宮古島=麦味噌 石垣=米味噌」は、穫れる作物の種類から
だけではなく、合う水によっての違いかもしれません。
お味噌汁なんて、水と味噌のみの食べ物ですから。
昆布に関しては、沖縄の食文化では飲むモノではなく、食べるモノ。
くーぶいりちー(昆布入り炒め)、ジューシー(かやくごはん)などに混ぜ込み
食べるので、国内消費量上位は不動です。
「三枚肉と野菜炒めの野菜そばとジューシーセット」
では出汁は?
出汁はモチロン、豚さんです。
ヨーロッパで食されるスープ、煮込み料理文化は理にかなっていて、
硬度の高い硬水で肉類を茹でた場合、余分なタンパク質などを灰汁として
抜き出し、肉は軟らかくして臭みを抜いてくれるのです。
沖縄の豚文化「蹄と鳴き声以外はすべて食す」といわれるほど。
ソーキそばの「ソーキ」は、鋤(すき)が訛ったそうです。
豚の肋骨が鋤に似てるからソーキ。肋骨の出汁そばです。
写真の「ソーキ丼と沖縄すばセット」のように、甘辛く煮たソーキも食べます。
ここの沖縄すば屋さん、毎年立ち寄るのが楽しみなのですが、今年は様子が
違ってました。14時前なのに、扉を開けると、お客さんナシ。
繁盛してるときなどは、<自家製麺は終わりました。>と閉店する時間帯なのに。
食べてみてナルホド。地元の人は正直ですねぇ。すとーんと味が落ちてました。
口は怖い怖い。
えー、脱線しましたが、沖縄の豚食文化もやはり硬水の性質から根付いた
影響も大きいのではないかな?と思うのです。
もうひとつ、南城市(沖縄南部)の陶芸家のお宅にお邪魔した時、
冷たいさんぴん茶を出して頂きました。
「これ、ビールですか??白い泡いっぱい上がってますケド?」
「何言ってるさー、硬水なんだから泡立つっしょ?」
えー、こんなに?そうか、今まで営業用のティーパックの薄いさんぴん茶しか
飲んでこなくて、温いのばっかりだったから気づかなかった。
濃い冷たいさんぴん茶、こんなに美味しいとは。
そして、硬水のおかげなんでしょう。この良い香り。
さらに、沖縄では欠かせない泡盛。陶芸家相馬さんのご自身の焼締酒器で一献。
京都に持ち帰った「八重泉」を水道水で割ってみて??
味がまぁるいんです。
試しにヨーロッパのミネラルウォーター「エビアン」で割って呑むと、
石垣島で呑んだ独特の臭みや米の味に近くなりました。
やはり食文化は土地に密接な関係を持ち、気候風土に適したモノが
残っていくのですね。
オリオンビールが水のようにさっぱりしているのも、暑い沖縄では喉越し
良くて飽きない美味しいビールです。
日本のミネラルウォーターの基準値とは曖昧なものですが、
ヨーロッパでは水源周囲の自然環境をも厳しく審査した上で、
数々の項目をクリアしなければ商標登録されません。
日本は軟水資源が豊富で、ただの水道水に添加物を加えたものを
ブレンドして飲まされている可能性があります。
ミネラルウォーター・硬度について
京都は特に、超軟水。軟水とよばれる基準の最低ライン。
それで、出汁文化・日本茶文化・日本酒文化の歴史が多様化しているのでしょう。
石垣島の最南端地元スーパーにて。
楽しい地産地消の食品の数々。
「もやし詰め放題100円」なんてのもユニーク。
ミネラルたっぷりの石垣島の土壌で育まれた野菜たちも、
紅芋みたいに野性的なのでしょう。
南のおやつ サーターアンダギーMIXだけでも、種類多数。
「はるみおばぁの黒紫米のアンダギー」生地が詰まって、もちもちしてました。
今話題の「石垣島日曜市」で人気の「カナっぱ弁当」
市では葉っぱのお皿に盛り付けて出されますが、平日はテイクアウトできます。
工房に帰って、スタッフの皆さんと戴きました。
献立は島の素材を使用して無添加。
紅芋のデザートは、工房で作られたペーストを加工されたものだそうです。
サーターアンダギーのもちもち感も、島らっきょの天ぷらのしっとり感も、
土地の水が作り出すモノですよね。
「シマ豆腐揚げだし」
「なーべらー(ヘチマ)チャンプルー」「ラフテー」
「アーサ天ぷら」
現地で食べるから美味しいモノ。
旅はおもしろいなぁーー。
大和に帰ってきたら、
泡盛はエビアンかヴイッテルで割ってくださいね。
沖縄風天ぷらには、衣の粉にビールを加えると
フリッター感が増しますよ。
↑クリックして頂くとブログランキングにカウントされます。
応援して頂けると嬉しいです。
by mottainai-amata
| 2014-03-06 16:58
| クラフトあまた沖縄たより
|
Comments(2)
Commented
at 2014-03-07 14:02
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
mottainai-amata at 2014-03-08 00:19
ようこさま
歩き、歩きましたよ。鼻を頼りに。。
沖縄へ行くと冴えてくるのは、
不思議やなぁ。。。
沖縄たよりしばし続きます!
ご愛顧くださいまし。
歩き、歩きましたよ。鼻を頼りに。。
沖縄へ行くと冴えてくるのは、
不思議やなぁ。。。
沖縄たよりしばし続きます!
ご愛顧くださいまし。
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