2013年 06月 07日
四日市で伊勢茶探訪 |
先日はお休みを頂きまして、三重県四日市に
行ってきました。今年の梅雨は空梅雨のようで、
芒種を過ぎた今週も潤す露の気配はありません。
四日市までは、京都駅から五条通を経由して高速バスで
約1時間45分。こんなに便利だとは・・知りませんでした。
見渡すかぎり茶畑〜伊勢茶は三重特産品。
特に<伊勢のかぶせ茶>が有名です。
緑茶生産量全国第3位の三重県北部、鈴鹿山脈の麓にあたる
いなべ市、菰野市、四日市市、鈴鹿市がかぶせ茶の一大生産地。
千年以上前に製茶方法が伝わったとされ、それ以来茶業を盛んに
営んできました。江戸時代後半に「玉露」の栽培法が伝わり、
葉を摘み取る前の一定の期間、藁や薦(こも)で全体を覆うことで、
葉の光合成を妨げ、渋みを押さえ、甘味や旨味を増すようにした
高級茶=かぶせ茶と呼んでいます。
<伊勢本かぶせ茶>は、とりわけ品質にこだわった商品です。
地域特有の食材などを用いて、こだわりの地域食品ブランドの
標準基準を設けた<本場の本物>
認証を受けています。
でも、失礼ながら<伊勢茶>が、全国第3位緑茶生産量を誇る
地域であることや、水沢地区(すいざわと読みます)が茶の
代表産地だということも、ここへ来るまで知りませんでした。
水沢茶農業協同組合加藤部長さんに、この度丁重にご案内して頂き
<伊勢茶>は、京都の宇治茶にブレンドされるために、表に名前が
出てこないこと、テマヒマかかっている高品質のお茶なのに安価で
取り引きされていること、玉露に比べて<かぶせ茶>の理解度が低い
こと、三重の気候により、かぶせ茶出荷は新茶の売り出しの一般的な
「八十八夜」に間に合わないこと・・などがわかりました。
なかなか粋な(笑)タイガー製ポット
とても爽やかな香りのきれいな茶葉です。
<伊勢本かぶせ茶>をお湯で飲む場合は、玉露同様60℃の
ぬるめの湯温で淹れるのが基本です。
しかし、私が先日ブログにて日本茶事情を紹介しましたように、
「日本茶が流行っているらしい??」
ここ伊勢茶の産地でも、急須で飲む日本茶離れが進んでいるそうです。
「60℃のぬるめの湯」が、どう計ったらいいのか、どの程度か??
「湯冷まし」という道具があることも、知らない人が多いとか。
湯冷ましがなくとも、お湯のみに一回ずつ汲み換えすれば温度を
下げることができるのですが、家でそのような淹れ方を見たことが
ない世代が増えてきているのが現状のようです。
加藤部長は、各地会場に出向いて日本茶を淹れる講習会を続けている
と、仰ってました。
「10人の参加者のうち、2〜3人にでも伝わって、日本茶が好きに
なってもらえれば・・・」
「京都ブランドの強みは、その努力を脈々と続けてきた地盤作り
なんだよね。やっぱりすごいよ。」
「<伊勢茶・本かぶせ茶>は、ここ数年前からやっと始まった感じ。」
そうなんですね。確かに他府県に行って「○○茶cafe」なんて専門店
ないですし、お茶のスイーツがお土産で引っ張りだこなんてのも稀です。
それで<伊勢本かぶせ茶>は、まずは気軽に水出し茶で飲んでもらうこと
を売り出しました。水出しならば湯温を計る必要もなく、茶器もたいそう
に必要ありません。
さらに被覆することで葉緑素が多く残るので、茶葉の色が濃いために、
水出しでもキレイな色がでる、水出しでもアミノ酸の旨味成分は抽出
されるので、甘くてまろやかな香りがたのしめるのです。
水出しを2煎ほど飲んだ後、熱湯で淹れると日本茶特有の苦み・渋み
が表にでるお茶になります。
苦み・渋みは、熱い湯温でないと抽出されないカテキンによるもの
だからです。 加藤部長は「全部で5煎たのしめますよ。」
そう思うと、ペットボトルのお茶と比べて100g千円ほどのかぶせ茶、
決して高くない。(一杯分10gの茶葉使用したとして)
しかし、茶葉の個人消費量は減少傾向。伊勢茶ブランド力は弱小傾向。
でも、でもですよ。
三重には昔から、お茶が美味しく淹れられることで有名な
四日市の陶器産業<萬古焼>があるのに、お互いのいいところを
相乗効果で市場に発信できないのは、モッタイナイですね。
どうしてでしょう?
続きは、「萬古焼窯場を探訪」にて〜
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行ってきました。今年の梅雨は空梅雨のようで、
芒種を過ぎた今週も潤す露の気配はありません。
四日市までは、京都駅から五条通を経由して高速バスで
約1時間45分。こんなに便利だとは・・知りませんでした。
見渡すかぎり茶畑〜伊勢茶は三重特産品。
特に<伊勢のかぶせ茶>が有名です。
緑茶生産量全国第3位の三重県北部、鈴鹿山脈の麓にあたる
いなべ市、菰野市、四日市市、鈴鹿市がかぶせ茶の一大生産地。
千年以上前に製茶方法が伝わったとされ、それ以来茶業を盛んに
営んできました。江戸時代後半に「玉露」の栽培法が伝わり、
葉を摘み取る前の一定の期間、藁や薦(こも)で全体を覆うことで、
葉の光合成を妨げ、渋みを押さえ、甘味や旨味を増すようにした
高級茶=かぶせ茶と呼んでいます。
<伊勢本かぶせ茶>は、とりわけ品質にこだわった商品です。
地域特有の食材などを用いて、こだわりの地域食品ブランドの
標準基準を設けた<本場の本物>
認証を受けています。
でも、失礼ながら<伊勢茶>が、全国第3位緑茶生産量を誇る
地域であることや、水沢地区(すいざわと読みます)が茶の
代表産地だということも、ここへ来るまで知りませんでした。
水沢茶農業協同組合加藤部長さんに、この度丁重にご案内して頂き
<伊勢茶>は、京都の宇治茶にブレンドされるために、表に名前が
出てこないこと、テマヒマかかっている高品質のお茶なのに安価で
取り引きされていること、玉露に比べて<かぶせ茶>の理解度が低い
こと、三重の気候により、かぶせ茶出荷は新茶の売り出しの一般的な
「八十八夜」に間に合わないこと・・などがわかりました。
なかなか粋な(笑)タイガー製ポット
とても爽やかな香りのきれいな茶葉です。
<伊勢本かぶせ茶>をお湯で飲む場合は、玉露同様60℃の
ぬるめの湯温で淹れるのが基本です。
しかし、私が先日ブログにて日本茶事情を紹介しましたように、
「日本茶が流行っているらしい??」
ここ伊勢茶の産地でも、急須で飲む日本茶離れが進んでいるそうです。
「60℃のぬるめの湯」が、どう計ったらいいのか、どの程度か??
「湯冷まし」という道具があることも、知らない人が多いとか。
湯冷ましがなくとも、お湯のみに一回ずつ汲み換えすれば温度を
下げることができるのですが、家でそのような淹れ方を見たことが
ない世代が増えてきているのが現状のようです。
加藤部長は、各地会場に出向いて日本茶を淹れる講習会を続けている
と、仰ってました。
「10人の参加者のうち、2〜3人にでも伝わって、日本茶が好きに
なってもらえれば・・・」
「京都ブランドの強みは、その努力を脈々と続けてきた地盤作り
なんだよね。やっぱりすごいよ。」
「<伊勢茶・本かぶせ茶>は、ここ数年前からやっと始まった感じ。」
そうなんですね。確かに他府県に行って「○○茶cafe」なんて専門店
ないですし、お茶のスイーツがお土産で引っ張りだこなんてのも稀です。
それで<伊勢本かぶせ茶>は、まずは気軽に水出し茶で飲んでもらうこと
を売り出しました。水出しならば湯温を計る必要もなく、茶器もたいそう
に必要ありません。
さらに被覆することで葉緑素が多く残るので、茶葉の色が濃いために、
水出しでもキレイな色がでる、水出しでもアミノ酸の旨味成分は抽出
されるので、甘くてまろやかな香りがたのしめるのです。
水出しを2煎ほど飲んだ後、熱湯で淹れると日本茶特有の苦み・渋み
が表にでるお茶になります。
苦み・渋みは、熱い湯温でないと抽出されないカテキンによるもの
だからです。 加藤部長は「全部で5煎たのしめますよ。」
そう思うと、ペットボトルのお茶と比べて100g千円ほどのかぶせ茶、
決して高くない。(一杯分10gの茶葉使用したとして)
しかし、茶葉の個人消費量は減少傾向。伊勢茶ブランド力は弱小傾向。
でも、でもですよ。
三重には昔から、お茶が美味しく淹れられることで有名な
四日市の陶器産業<萬古焼>があるのに、お互いのいいところを
相乗効果で市場に発信できないのは、モッタイナイですね。
どうしてでしょう?
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by mottainai-amata
| 2013-06-07 17:54
| 珈琲屋さんで知的探訪
|
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