みちのくあまたたより 其の貳 |

「津軽富士」ともよばれる「岩木山」の雪景色も
きれいに映えて・・・
車で五所川原市に連れて行ってもらいました。

この駅から、ローカル津軽鉄道が出発しています。
季節の風物詩として、全国ニュースでも紹介される
列車なのです。乗車風景は、またのちほど。。。
五所川原市は弘前の北に位置します。ここは夏祭り
「立佞武多(たちねぷた)」で有名な町です。
「青森ねぶた祭」をはじめねぷたと呼ばれる、武者や
歌舞伎や神話を題材にした「山車燈籠」を、掛け声と
ともに曳いて町中盛り上がる祭は、青森市内でも数カ所
開催され、町によってなる特色を持っています。
短い夏を惜しむ祭は、七夕に起源をもっていて、かつては
各地で行われていた「眠り流し」の行事が発展したものと
いわれます。秋からの農作業の妨げになる夏の眠りを追い
払うため、燈籠に眠気を移し、海や川に流した「ねむりながし」
が「ねぶた」「ねぷた」祭になったそうです。
団扇のような形のねぷたに絵を描くのもあれば、横に広く
大きな人形のかたちのものもあります。掛け声もさまざま。


ここ五所川原のねぷたは、22mもある大型の立佞武多になって
いて、電線の普及とともに背の低いねぷたになりました。
当時の写真と図面がでてきたのをきっかけに1996年市民有志が
復元させました。以来、大勢のねぷた師(製作者)の協力で
毎年一基ずつ新しいねぷたを作り、祭で披露されます。

立佞武多祭は、8月4日〜8日の5日間、19時〜21時に
開催されます。現在市内のねぷた通りは、電線を地下に埋めて
祭の妨げにならないようになっています。
「立佞武多の館」は、
これまで製作された立佞武多を展示保管するとともに
祭の紹介、見学可能の製作所、市民ギャラリー
などを併せ持つ観光・市民交流の拠点にしています。
うまく機能させた施設でした。なによりすごい仕掛けなのは、
祭の時に6階建の施設のガラス面が「ごごごぉ〜」と開き、
この場所からねぷたが出動させられるようになっていること!
「タイムボカンシリーズみたいやね〜。」(ふるいな〜)

一階ホールで、祭囃子の練習・体験中。
「ヤッテマレ、ヤッテッマレ〜」どどつくどん・・


今展示中なのは「義経伝説」と「又鬼(またぎ)」
もう一体は、今春東京ドームで開かれるイベントのため、
解体して出張中だそうです。解体すると14ものパーツに
なります。燈籠内の電源はLED。
台座の「雲漢(うんかん)」は「天の川」の意味だそうです。



館内のスロープに沿ってねぷたを見ると、下から見上げた時と
違った見方ができますね。

舞台の大道具セットのようですが、ここで一年かけて制作されます。


図面に従って、骨組みを作り、和紙を重ね張って、彩色します。
市民の手で復興された祭だけに、市民に見守られながら毎年
盛り上げられているような気がしました。
市民に語り継がれるモノ・・といえば、津軽のこころ。
「津軽三味線」一度ライブで独奏を聴いてみたかった!

弘前市にある「杏(あんず)」という郷土料理のお店。
「金魚」のねぷたが天井から下がる民家のような店内で、
特別なステージが設けられているのではなく、昔のように
流し弾きの三味線師を迎えるようにしてあります。
19時〜津軽三味線のライブがあるとのこと。

始まるまでの腹ごしらえ・・どれも魅力的なおしながき。
新谷さんのご実家で、ずいぶん珍しいお料理戴いてきましたが、
「まだまだあるびょん!」とばかりに、豊富な食文化。

「一町田セリのゴマ和え・ブリッコ(ぶりの卵)」口の中で
弾ける食感が、これまで体験したことのない痛いくらいの
食感です。殻が残るので吐いて捨てるのもおもしろい。

「タラの白子」対照的にも、とろとろの口溶け感。

「大鰐のそばもやし」蕎麦のスプラウト。

「黒石とうふ」京都の豆腐とまた違った滑らかさ。

「田子のにんにく丸揚げ」「砂丘長いも焼」
青森はにんにく、長いも、全国でも有数の生産地。
どちらもほくほくした甘味です。

きのこ類も豊富です。「さもたけの南蛮漬け」
どれが何て名前のお料理だか、印がないとわからなくなって
きましたよね。種類が多くて。食いしん坊ばんざい!

「ソイの武者煮」ソイという魚を、武将様に召し上がって
戴くために作った自慢の一品。ってとこでしょうか。
青森郷土料理といえば・・ご実家でも作って頂きました。

「ホタテの貝焼き」
どの家庭でも大きなホタテの貝殻がストックされていて、
お袋の味健在。出汁に貝柱を置いて卵と味噌を溶いて作る
簡単な一品なのですが、ご飯に載せても美味しく、しっかり
辛い目の味付け。昔、卵が貴重品だった時、産後や病気回復に
栄養をつけてもらうための愛情料理なのが始まりだそうです。

「じゃっぱ汁」お母さんのお手製、美味しかったです。
お正月料理にかかせない、一本買いするタラの頭・内臓・身
に分けて、大根・白菜・こんにゃくなどと味噌味で炊き込む
「アラ汁」。 「じゃっぱ」=「雑把」
青森はお正月を「鱈正月」といい、昭和20年頃までは雪道を
縄を付けた鱈を引きずって家に持ち帰る光景が風物詩だったそう。
味の染み込んだ一杯は、身体の芯から温まります。
おまちかねの津軽三味線。
ほぼ時間丁度に雪を肩にケースを提げて現れた三味線奏者。

今晩は<小山内薫さん>お若いけれど、巧みな技術をお持ちで
たいへん人気のある方。


演奏中は撮影禁止なので、調律のときに。
しんしんと積もる雪に囲まれた静かな夜に、撥が弾く
「ビーン、ビーン・・」と張りつめた音色。高まる期待。
もちろん演奏は、津軽三味線の魅力に引き込まれる
見事な迫力あるライブでした。

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ランドスケープを愉しみたい気持ちはありますが、
立ちはだかる東北の冬将軍。目的地までたどり着くのは、
厳しいものがありますね。
ではまた季候のいい時に・・と言いたいところ、
実際、交通費は沖縄・北海道のほうが安かったり。
でもまだまだ知らない魅力あります、東北。
また他の県にも行ってみたいです。