2013年 01月 14日
みちのくあまたたより その壱 |
今日の成人式は、全国的に荒天気のようですね。
東京は大雪、東北は豪雪警戒がでているとか。
今期の寒さは記録的で、各市の除雪費はすでに枯渇
して、悲鳴があがっているとのこと。降雪量も軒並み
記録を塗り替えようとしていて、多かった去年の2〜3倍。
私がお正月訪ねた青森県弘前市地方は、1m越えしたそうです。
これから2月にかけてもっと降ると思いますが、心配ですね。
《奇跡的な快晴の元旦》を迎えられました。青森空港。
しかし街はどこを見ても雪、雪、雪。
青森の雪はさらさらのパウダー状なので、日の光が当たると
きらきら光って、とてもきれいです。
「もっと寒いかと覚悟してきたけど、そうでもなかったねぇ。」
などと悠長なことを言っていましたが、三日目の猛吹雪は
風に煽られた地面の粉雪が舞い上がって、前が見えない、
口が開けられないのでしゃべれない、というマイナス8℃の
「すっかく来なさったんだば、青森の冬体験してみんべ。」
とばかりのすごい世界でした。
「真下に立ってると刺さるぞ〜」
“あまたサスペンスたより”になると困るわぁ。
実は今回の“みちのく旅行”は、
いつも「あまたの会銘酒会」などでお世話になってます
「タキモト名酒館」のソムリエ新谷さんのご実家に、
奥さんと日本食文化を研究している米国Gさんと一緒に、
便乗お里帰りさせてもらったお正月ホームステイなのです。
ご親戚のお宅への年始ご挨拶もお供してきまして、青森の
お正月風景を見せてもらいました。
いろいろネタは尽きませんが、まずは雪で閉ざされた外の
景色とはうらはらな、食の豊かさに圧倒されましたので、
そのご報告を。
青森では<お重に詰めた正月料理>というものはなく、
大皿料理が何種類も食卓に並び、皆が取り分けて食べるそう
です。海の幸・山の幸食材が豊富なので、あえて作り置きした
お料理をださなくともよいのでしょう。
お祝いの時に食べるお赤飯。関西と違うのは<甘い>のです。
イクラの隣にあるのは<鮫のなます>鮫の頭を捌き、軟骨も
身も<タタキ>のように細かくして、玉ねぎや人参などと
混ぜて酢を基本に味付けする郷土料理。
脂の乗った白身魚のマリネかパテみたいで、和洋折衷不思議な
味わいでした。
イクラもお匙でがばっと豪快に、贅沢に。
青森の食卓は<魚卵まつり>
カズノコ・スジコ・ブリコ・タラコ・コノコ・・・
近海の新鮮な海の幸ですね。
<みず>と呼ばれる青菜のおひたし。長野で<おな>という
野沢菜みたいなものでしょうか。
<津軽そば>もっちりした麺は、大豆(ずんだ)の粉を混ぜて
作るからだそうです。お汁は片口鰯の魚出汁に鶏肉の旨味が溶け
込んで、コクがあります。
ご親戚のお昼をちゃっかりよばれて、
<遠部沢の山峡に豊富に自噴する天然の薬湯>=秘境の湯
古遠部(ふるとおべ)温泉へ
無色透明ですが、湯船の回りなどは成分がこびりついて
鍾乳洞みたいになってました。湯治のお客さんも多いだけに
身体の芯に染み渡っていくいいお湯でした。
そして新谷家での元旦の夕食は、すごいご馳走をご用意して
頂きまして。。
マグロのトロみたいな馬刺も美味しかったですが、
なんといっても魚が美味しいですね。
京都に帰って、しばらく魚は食べられないな〜と思いました。
<煮しめ>には特産品<根曲竹>というハチクのような筍や、
<粒貝>などが入ってます。
貝も種類が豊富で、サザエ・ホタテはもちろん美味しい。
十三湖で採れるシジミは、粒が大きく濃厚でシジミ汁が
名物で、シジミ汁ラーメンなどご当地グルメもあります。
<あんこうのとも和え>あんこうの肝を(ともに)混ぜて
作るのがミソ。
<いなり寿司>に透けて見えるのは紅ショウガ。昔から混ぜる
そうです。油揚げはしっかり濃いしょうゆ味。
<けの汁>は粥汁のこと。お米が貴重だった時、山菜や野菜を
5mm正方くらいに細かく刻んで、お米に見立ててくたくたに
なるまで煮込んで食べたのが始まりだそうです。
1月15日の小正月は「女正月」といい、嫁が実家に戻りゆっくり
休む日。そのお嫁さんが留守の間に、家族が食べるのに困らない
よう、たくさん作るのだとか。
毎日火を入れるほどに美味しくなります。
具材はお袋の味。各家庭によって違います。ぜんまい・大根・
ごぼう・人参・油揚げ・凍豆腐・・など十数種類。
新谷さんのお母さんは、本当にお料理がお上手です。
凍豆腐というのは、カラカラに乾いた凍てつく天気に豆腐
を干して作る高野豆腐ですが、<干し餅>という突いたお餅を
紐で結わえて吊して作るお菓子があります。
風通しの良いしばれの強い所に、一ヶ月半干して作ります。
袋入りの製品が売られていますが、今も自家製がポピュラー
ですって。四角な一個に、ご飯一杯分のカロリー。
本来は、農作業の合間にぽりぽり食べる虫養い。
新谷家も親戚が集まって、業者さんのような分量のお餅を
ついて、一年分の干し餅を作るのが恒例行事だそうです。
業者といえば、突いたお餅を持ち込みしたら型にのばして、
一気に冷凍して吊した状態にして納品してくれる会社が存在
するとのこと。地方色濃いビジネスですね。
新谷さんの甥っこの晴るちゃん(3才)は、ひょうきんで
みんなのアイドル。「ねぷた祭」が大好きで、お囃子が
聞こえたり「ヤッテマレ、ヤッテマレ!」という祭の
掛け声をかけると踊りだしちゃいます。
お父さんが「もっけもんだでな〜。」って。
津軽弁で<もっけもん>というのは、お調子者のことを
いうのだそうです。
関西組の私たちにわかるように会話してくださってましたが、
新谷家の人々が話す日常津軽弁は、まるで外国語。
さっぱりわかりません!でもイントネーションや、最後を
伸ばすところなんかは、沖縄弁に似ています。
最北(アイヌ)と再南(沖縄)に追いやられた縄文人DNAの
名残とかいう一説を読んだことがあります・・
初めにおはなししたように、豪雪の中で口を長く開けて
られないので、短い方言が多いんじゃないでしょうか。
A「どさ?」 B「ゆさ」
これで会話が成り立つって(笑)
A「どこへ行きますか?」B「銭湯へ行くところです。」
調べていて面白い津軽弁サイトを見つけました。
ご興味お持ちの方はどうぞ・・はまりますよ(笑)
みちのくたより其の貳は、晴るちゃんと行きました
「立佞武多(たちねぷた)の館」のおはなしなどを。
へば(それじゃぁ)
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応援して頂けると嬉しいです。
東京は大雪、東北は豪雪警戒がでているとか。
今期の寒さは記録的で、各市の除雪費はすでに枯渇
して、悲鳴があがっているとのこと。降雪量も軒並み
記録を塗り替えようとしていて、多かった去年の2〜3倍。
私がお正月訪ねた青森県弘前市地方は、1m越えしたそうです。
これから2月にかけてもっと降ると思いますが、心配ですね。
《奇跡的な快晴の元旦》を迎えられました。青森空港。
しかし街はどこを見ても雪、雪、雪。
青森の雪はさらさらのパウダー状なので、日の光が当たると
きらきら光って、とてもきれいです。
「もっと寒いかと覚悟してきたけど、そうでもなかったねぇ。」
などと悠長なことを言っていましたが、三日目の猛吹雪は
風に煽られた地面の粉雪が舞い上がって、前が見えない、
口が開けられないのでしゃべれない、というマイナス8℃の
「すっかく来なさったんだば、青森の冬体験してみんべ。」
とばかりのすごい世界でした。
「真下に立ってると刺さるぞ〜」
“あまたサスペンスたより”になると困るわぁ。
実は今回の“みちのく旅行”は、
いつも「あまたの会銘酒会」などでお世話になってます
「タキモト名酒館」のソムリエ新谷さんのご実家に、
奥さんと日本食文化を研究している米国Gさんと一緒に、
便乗お里帰りさせてもらったお正月ホームステイなのです。
ご親戚のお宅への年始ご挨拶もお供してきまして、青森の
お正月風景を見せてもらいました。
いろいろネタは尽きませんが、まずは雪で閉ざされた外の
景色とはうらはらな、食の豊かさに圧倒されましたので、
そのご報告を。
青森では<お重に詰めた正月料理>というものはなく、
大皿料理が何種類も食卓に並び、皆が取り分けて食べるそう
です。海の幸・山の幸食材が豊富なので、あえて作り置きした
お料理をださなくともよいのでしょう。
お祝いの時に食べるお赤飯。関西と違うのは<甘い>のです。
イクラの隣にあるのは<鮫のなます>鮫の頭を捌き、軟骨も
身も<タタキ>のように細かくして、玉ねぎや人参などと
混ぜて酢を基本に味付けする郷土料理。
脂の乗った白身魚のマリネかパテみたいで、和洋折衷不思議な
味わいでした。
イクラもお匙でがばっと豪快に、贅沢に。
青森の食卓は<魚卵まつり>
カズノコ・スジコ・ブリコ・タラコ・コノコ・・・
近海の新鮮な海の幸ですね。
<みず>と呼ばれる青菜のおひたし。長野で<おな>という
野沢菜みたいなものでしょうか。
<津軽そば>もっちりした麺は、大豆(ずんだ)の粉を混ぜて
作るからだそうです。お汁は片口鰯の魚出汁に鶏肉の旨味が溶け
込んで、コクがあります。
ご親戚のお昼をちゃっかりよばれて、
<遠部沢の山峡に豊富に自噴する天然の薬湯>=秘境の湯
古遠部(ふるとおべ)温泉へ
無色透明ですが、湯船の回りなどは成分がこびりついて
鍾乳洞みたいになってました。湯治のお客さんも多いだけに
身体の芯に染み渡っていくいいお湯でした。
そして新谷家での元旦の夕食は、すごいご馳走をご用意して
頂きまして。。
マグロのトロみたいな馬刺も美味しかったですが、
なんといっても魚が美味しいですね。
京都に帰って、しばらく魚は食べられないな〜と思いました。
<煮しめ>には特産品<根曲竹>というハチクのような筍や、
<粒貝>などが入ってます。
貝も種類が豊富で、サザエ・ホタテはもちろん美味しい。
十三湖で採れるシジミは、粒が大きく濃厚でシジミ汁が
名物で、シジミ汁ラーメンなどご当地グルメもあります。
<あんこうのとも和え>あんこうの肝を(ともに)混ぜて
作るのがミソ。
<いなり寿司>に透けて見えるのは紅ショウガ。昔から混ぜる
そうです。油揚げはしっかり濃いしょうゆ味。
<けの汁>は粥汁のこと。お米が貴重だった時、山菜や野菜を
5mm正方くらいに細かく刻んで、お米に見立ててくたくたに
なるまで煮込んで食べたのが始まりだそうです。
1月15日の小正月は「女正月」といい、嫁が実家に戻りゆっくり
休む日。そのお嫁さんが留守の間に、家族が食べるのに困らない
よう、たくさん作るのだとか。
毎日火を入れるほどに美味しくなります。
具材はお袋の味。各家庭によって違います。ぜんまい・大根・
ごぼう・人参・油揚げ・凍豆腐・・など十数種類。
新谷さんのお母さんは、本当にお料理がお上手です。
凍豆腐というのは、カラカラに乾いた凍てつく天気に豆腐
を干して作る高野豆腐ですが、<干し餅>という突いたお餅を
紐で結わえて吊して作るお菓子があります。
風通しの良いしばれの強い所に、一ヶ月半干して作ります。
袋入りの製品が売られていますが、今も自家製がポピュラー
ですって。四角な一個に、ご飯一杯分のカロリー。
本来は、農作業の合間にぽりぽり食べる虫養い。
新谷家も親戚が集まって、業者さんのような分量のお餅を
ついて、一年分の干し餅を作るのが恒例行事だそうです。
業者といえば、突いたお餅を持ち込みしたら型にのばして、
一気に冷凍して吊した状態にして納品してくれる会社が存在
するとのこと。地方色濃いビジネスですね。
新谷さんの甥っこの晴るちゃん(3才)は、ひょうきんで
みんなのアイドル。「ねぷた祭」が大好きで、お囃子が
聞こえたり「ヤッテマレ、ヤッテマレ!」という祭の
掛け声をかけると踊りだしちゃいます。
お父さんが「もっけもんだでな〜。」って。
津軽弁で<もっけもん>というのは、お調子者のことを
いうのだそうです。
関西組の私たちにわかるように会話してくださってましたが、
新谷家の人々が話す日常津軽弁は、まるで外国語。
さっぱりわかりません!でもイントネーションや、最後を
伸ばすところなんかは、沖縄弁に似ています。
最北(アイヌ)と再南(沖縄)に追いやられた縄文人DNAの
名残とかいう一説を読んだことがあります・・
初めにおはなししたように、豪雪の中で口を長く開けて
られないので、短い方言が多いんじゃないでしょうか。
A「どさ?」 B「ゆさ」
これで会話が成り立つって(笑)
A「どこへ行きますか?」B「銭湯へ行くところです。」
調べていて面白い津軽弁サイトを見つけました。
ご興味お持ちの方はどうぞ・・はまりますよ(笑)
みちのくたより其の貳は、晴るちゃんと行きました
「立佞武多(たちねぷた)の館」のおはなしなどを。
へば(それじゃぁ)
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by mottainai-amata
| 2013-01-14 16:30
| 津軽塗/みちのくあまたたより
|
Comments(2)
Commented
by
山ん山
at 2013-01-15 19:18
x
これ読むと京都じゃなくて青森へ行きたくなりますよね。
うらやましいの一言。
大学卒業以来会っていない(年賀状はやりとりしている)友達に連絡するかな?
うらやましいの一言。
大学卒業以来会っていない(年賀状はやりとりしている)友達に連絡するかな?
0
Commented
by
mottainai-amata at 2013-01-16 14:08