鳥取県若桜鉄道で行く窯元&蔵元の旅 其の四 |
若桜町〜人口4千人弱・町面積の95%以上が森林と
という自然に囲まれた町。
旧き街並みに、凛とした町家。
(有)太田酒造場を訪ねます。
H.P.まるごとべんてんむすめ
四代目代表取締役 太田義人さんと社員の陽子さんから、
酒造りについてお話を伺いました。
『酒は純米、燗なら尚良し』という太田酒造さんが造る日本酒
『辯天娘』は、地元で栽培した酒米を使い、地元の水で、地元の
皆さんで造られた、本当の手造り純米酒。
お酒の裏ラベルには、酒米生産者の名前が記入されています。
仕込みごとに熟成させて、ブレンドしない製法は、それぞれの
お米、生産者ごとの味わいを大事にされたものです。
ここ太田酒造さんも創業から順風満帆という訳ではなく、やむなく
休蔵されていた時代があったそうです。その間、現在も主力商品
である「なら漬」を商品開発されていました。
2002年「純米酒の神」といわれる上原浩氏(漫画「夏子の酒」に
モデルで登場)の指導のもと酒造再開されて、今は全国の有名店に
置かれる酒に。
本日も「名酒館タキモト」さんの店長Hさんのおかげで見学させて
頂きました。 ありがとうございます!
タキモトH.P.
蔵内を案内して頂きました。
「わー、糟搾りだー!」
一袋、一袋、手作業で生酒を搾る作業中でした。
もちろん自動圧搾機も使って作業されますが、
タイミングいいことに、年代物の舟を使った昔ながらの
製造過程の様子を見学させて頂きました。
長い日本酒の歴史の中で、昔も今も同じ造り方を続ける
食文化を目の当たりにして、感激です。
搾ったばかりのお酒は、渋みというか苦みがあるけれど、
熟成前のよい香りがしました。
ふつふつ。。と泡が立って醗酵しています。「もろみ」
濾過・火入れして貯蔵されるタンクにも、酒米の品種、
生産者の名前が書かれています。
「名代なら漬」の仕込み樽が並ぶ倉庫。
地元契約栽培の大根・胡瓜を、塩漬け3回、熟成させた
酒粕に7〜9回漬け替え、2〜3年後出荷。
大変てまひまかけた、美味しいなら漬。
太田酒造さんは、なんでも手作り。道具も麹室も
杜氏さんが大工仕事を兼業で。
「プラスチックの製品を買えば簡単だけど、捨てた後
土に還らないじゃないですか。」と、陽子さん。
どこまでも、自然と地元の人達の力で造ることにこだわる
姿勢が表れた一言に、力強さを感じました。
酒造は豊富な水、自然の恩恵があればこそですね。
洗面所の蛇口からも、お酒の仕込みと同じ地下水が溢れ、
その肌触りが、とってもやわらかくて泡が入ってるみたいで。
「都会の水道水と全然違いますね!」
「えっ、違いますか? 実はその蛇口は水道水ですよ!
なんて言ったらどうします?(笑)」
陽子さんに取られました。
その後、数々の種類の「辯天娘」地元の食材を
お料理上手な女将さんのご馳走にて戴きました。
鳥取名物「もさ海老」
具だくさんの野菜汁
今季は、日本の蟹食べられないと思ってました!
猪がでるそうです。「ぼたん汁」
極めは、美味しい水で炊いたお米の「塩むすび」
ただただ、シンプルな一品が最高です。
若桜鉄道の乗車時刻を気にしなくてよければ。。
もっと最高なのですが、乗り遅れたら今日中に帰れない。
味の余韻を楽しむ間もなく、急ぎ若桜町駅へ。。
本当にお世話になりました。太田さん。
この度も「鶴瓶の家族に乾杯」を地で行くような、
温かいご縁に恵まれた旅でした。
改めて、手作りの力強さ、顔の見える作り手との繋がりの
大切さを実感しました。ありがとうございました。
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