『山陰地方文化手仕事のおはなし』ご報告 |
自家焙コーヒーカダナHP
『珈琲屋さんで知的探訪
第七回 山陰地方文化手仕事のおはなし』
イベント参加して参りました。
この辺はまだ、先日の雪が溶けずに残ってました。
お寒い中、皆さまお集まり頂き、ありがとうございます。
山陰地方、大きくとらえて島根・鳥取・北兵庫・京都と
くくりまして。JR 漁火で巡る旅のはじまり〜〜
まずはご当地ランチ
カダナさん手打ちの「出雲蕎麦」
美味しい出汁は、ぶっかけスタイルで。
「この出汁めちゃくちゃ金かけてます。」と言わはる通り、
あご(トビウオ)、鯖節、鰹など、まろやかで濃いめの出汁は、
挽き割りの蕎麦に良く合います。
それと共に「京田ご飯」舞鶴市京田町の郷土料理。
地元舞鶴の人も知る人が少なくなったと、いつぞやの
京都新聞の郷土食の連載にありました。
いわゆる炊き込みご飯ですが、炒った木綿豆腐を混ぜ込むのが
特徴です。満腹度が高い食感。
一口目、なんとも香ばしいお醤油の香りがしたので、
カダナさんに聞くと、京丹後の家庭には欠かせない、
おのじん(小野甚)味噌醤油醸造会社の醤油を使いました。
とのこと。「どうして知ったんですか?」
「営業に廻って来るヤクルトレディーの地元。という情報を
入手したので・・」「口説いたんですか!(笑)」
「鉄道の旅の雰囲気でしょう。ぽっぽやみたいで。」
用意してくださったお茶の薬缶の大きいこと!
カダナさん、淡々ユニークな方ですねぇ。
さて、駅弁タイムも終わりまして
新しいスタッフのSさんがレイアウトデザインしてくれた、
レジュメを片手におはなしを進めましょう。
まずは、山陰地方の風土記のおはなしを
カダナさんにして頂きました。
中国地方の北部、山間地帯が広い山陰。平地は少ないものの、
日本海・汽水湖である宍道湖・中湖などは、海産物豊かな地域。
江戸期には北前船の寄港地として、食文化も育まれた。
山陰地方の歴史は古く、国生みの伝説や神話も多く、
宗教・精神世界にも独自の発展をみせる。
そんな山陰の松江を愛して、1年と数ヶ月居住した
小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)
松江城城下町、武家屋敷郡の並びに旧居と記念館があります。
「ヘルンさん」と親しみのある名前で呼ばれ、島根県の
中学校、師範学校の教師として滞在しました。
ハーンは、日本の古き良き面影を愛し、日本を紹介する多くの
著書を海外に発表しました。
中でも、戦前の国定教科書に取りあげられた「稲村の火」の
原話「生き神」は、ハーンが〈Tunami=津波〉という言葉を
世界に初めて紹介したそうです。
(1854年の南海地震の際の津波被害の実話を題材にしたもの。
現ヤマサ醤油の7代目が主人公。)
昨年の東北関東大震災をきっかけに、取りあげられたことも
あって、ご存じの方もあるでしょう。
島根の観光課の方に送ってもらったパンフレットで、
皆さんにしばし観光案内もさせて頂きました。
そしてもう一人の人物、鳥取の手仕事・文化的貢献者として
存在抜きに語れない吉田璋也(1898〜1972)について。
“民芸のプロデユーサー”と呼ばれ、柳宗悦と共に時代を生きた
吉田は、自らデザインした商品を作る職人を育成し、販売する
ルートとしての「たくみ民芸店」を立ち上げました。
収集した民芸品を展示公開する「鳥取民芸美術館」
民芸品を使って体感してもらう場である「たくみ割烹店
(しゃぶしゃぶの発祥)」 も平行して、鳥取に創建しました。
牛の戸・出西・中井・岩井などの焼物の窯にも貢献します。
山陰の古い焼物は、あまたのお客様Aさんに拝借。
貴重な資料、ありがとうございました。
私が日常使っているスリップウェアの器もご覧頂き、
引き続き「スリップウェア(器の表面をスリップとよばれる
泥しょう状の化粧土で装飾する方法)」のおはなし。
18c頃英国で流行った民芸品としてのスリップウェア。
歴史と技法を、柳、バーナード・リーチ、浜田庄司など
民芸の眼からご紹介。また、日本での産地のご紹介。
途中下車も忘れずに。
出西窯の多々納さんが復興した出西生姜を使った、
島根県 來間屋生姜糖本舗の「ひとくち生姜糖」
カダナさんの、鳥取のご友人の和菓子店製「いちじくパイ」
今回大好評でした。燗酒に合う鳥取県 太田酒造「辯天娘」
タキモト名酒館のAさん、Hさんいつもアドバイザー
ありがとうございます。ここで太田蔵の全種はもちろん、
美味しい自家製なら漬も買えます。私もお気に入り。
タキモトHP
真面目に古い手法で造る酒蔵
酒屋のお仕事
皆さん、盛りだくさんの長旅、ありがとうございました。
*次回「近畿地方文化手仕事のおはなし」は夏頃です。
海側・内陸側2回に分ける予定です。
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