木工作家 川上嘉彦さんの工房へ |
家具や建築材料の端材から、あらゆるアイディアを活かして
素敵なデザインで作品を作っておられます。
“使い道がなくなった素材から、新しい作品を生み出す”
リサイクルのコンセプトは、まさにモッタイナイクラフト。
大阪高槻市の、お住まい兼工房を訪ねて参りました。
川上さんの作品ファンであり、工業デザインの仕事をしている
青年達と一緒に見学させて頂きました。

川上さんも現役時代は某有名電機メーカーのデザイナーの
第一線で活躍されていました。
大先輩から、オイルショック時代の「人間と機械の量産性のバランス」
仕事の内容の変遷「家電→国立民族博物館→東京ディズニーランド」
に伴って「モノづくり→情報空間の仕事」に変化していった時代の流れ。
そんな日本企業の活気溢れるお話を伺って、彼らも熱心に質問します。
私たちの最も関心が高かったお話は、
川上さんの現役時代に会社が、福利厚生事業として無料で開いて
くれていた様々な『研修の時間』=(お寺など史跡を訪ねたり、
木工制作の教室もあったそうです。)
日本文化を学び直し、そしてコンピューターでは不可能な、
手仕事のアールや色合わせを体感できたのは、よい時間でした。
私の今の制作も、その当時の木工教室の影響でしょうね。
余裕のない企業がほとんどの現在の勤労状況。
彼らのうらやましそうな声とためいき。。。

もちろん作品の制作行程のお話も楽しかったです。
真鍮と黒檀を互い違いに挟んで、特殊なボンドで接着します。
この段階で隙間がないように上手く付いてくれないと、
削って形を出すときに割れたりするそうです。
金属と木という異質の素材に一体感が生まれるところが、おもしろい
“鳥シリーズ”のペーパーウェイト作品です。


部屋に飾られた作品、一つ一つにエピソードがあります。
簡単そうに見えても、決してそんなことはありません。
まったく同じモノはない。手仕事の温かさが伝わってきます。

奥様がご用意してくださった「鮎の焼き菓子」
ぽっちゃり系の鮎の中には、珍しい小豆の混ざった牛皮餅。
ご夫婦共に民藝品がお好きで、窯元巡りもされます。
普段の生活、身の回りのモノから受けるインスピレーションは、
作風に反映されるのだと、私は思います。
美味しいお菓子も戴きまして、場所を移して制作の様子を。

大型の機械を使う仕事は、庭に作られた小屋で。

“商売繁盛”なんて書かれた、柱材でしょうか。
ほんとにリサイクル素材ですね。

「こうやって切ります」実際見せて頂いたり。

外での作業もありまして、物騒な道具もでてきます。
川上さんの作品を、店で毎日拝見している私としては、
あらゆる行程を経て、作られた作品の価値観は急上昇。

ご好評頂いてます鳥のしおりたち。(寄木@1,050/黒檀@840)

「こうして挟んで作るんです。真鍮の棒は、さっきの
たたき台の上で石の上に載せて叩くと、味のある凸凹と
いぶした金属の色がでるんですよ。」

こんなに凝っていて、オシャレな作品をお安く提供して頂いて、
ありがとうございます!

止まることなく次々と新しい作品に挑まれる、川上さん。
後から続く青年達も、創作意欲に刺激を受けたようです。
その手から、いいモノをたくさん生みだしてくださいね。
川上さん毎年5月の展示会風景はこちら

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楽しみですね。私でお役に立てるならば・・
なんなりと。
鳥シリーズのしおりをマドラーに?
確かにデザインはそれらしい。。。
金属の臭いや味が移らなければ使えそうですね。
いかがなものでしょう?