島袋常秀窯のやちむん |
「やちむんの里」にある島袋常秀さんのやちむん(焼物)
を頂いてきました。
島袋さんは、昭和23年生まれ。壺屋焼窯元ご出身の陶芸家で、
沖縄県立芸術大学美術工芸科の教授も勤めておられます。
常秀工房には、これから独立を目指す若い陶工さんが多く、
いわゆる職人の養成所とは違う雰囲気があります。
大先輩の窯主であり、芸大の先生である島袋さんの
若い衆に継承して欲しいという思いではないかな?
と想像するのですが、常秀工房の作品には
昔ながらのやちむんの特徴が現れた作風が多く見られます。
卵色のような黄色かかった生地の色や、朱色のような赤絵付や、
読谷織りのパターンをアレンジした幾何学模様も
その特徴の一つです。
それでいて、チョットPOPなかわいらしい雰囲気から
古さを感じさせないところがニクイですね。
もちろん、若い世代の女性ファンが多いです。今回の訪問でも
内地からのお客さんが絶えず、作品が品薄状態で。
仕入れ目的の訪問者としては、略奪のような肩身の狭い思いで
選ばせて頂いてきました。
本当は登窯の窯出し日に合わせて行きたいのですが、
なかなか叶いません。
(作品の選択順は、各社抽選で決めるそう。すごい人気でしょう。)


「カフェオレボール(@¥3,300)」「六寸皿」共にお揃い柄
コバルト色がきれいな、雲型模様は中国の影響でしょうか。
古いやちむんにも施されている掻落とし技法です。

色とりどりの「まんじゅう鉢(@¥1,680)」は、
よくお客さまから聞かれますが、饅頭を載せる器〜
ではなくて、ひっくり返した時の形がお饅頭みたい
だからだそうです。

沖縄独特の形の酒器「抱瓶」
水筒代わりに肩から掛けて持ち歩きしていたので、
腰のあたりに添うカーブが上から見ると三日月型の
由縁です。


こちら「カラカラ」も沖縄独自の形です。
このカラカラについて、雑誌「民藝 523号」に
おもしろい記事が載ってました。

筆者は、県立美大陶芸科コース卒の小原高弘氏です。
島袋さんの訓示を受けた方ですね。
カラカラは、焼成する前から予め陶片が入っています。
二つの口が小さいために陶片が表に出せないようになっていて、
振るとカラカラ音が鳴ります。(但し最近のモノは入れなく
なって、商品の形の名前をカラカラといっています。)
「酒の飲み回しのとき、空き瓶を相手に渡すと失礼になるので、
中身が底になったかどうか振ってみたら分かる」
「カラカラは数が少なく貴重なものであったため、あちらこちら
からよく借りに来たというくらいで、座敷のあちこちから
借りる声があがったといわれます。沖縄の言葉で借りることを
「カラ」ということから「カラカラ」とは、それを繰り返し
表現したもので「借りよう、借りよう」、つまり「回せ、回せ」
というからだとの説(参考文献沖縄県立博物館友の会発行
『あわもりーその歴史と文化』)
筆者が壺屋の職人から聞いた別の話は「泡盛は長時間置くと、
表面に薄い油膜が張ります。それは飲むと苦いので油膜だけを
取りたいところ、カラカラの中に入ったお酒は無理なので、
振ることで陶片が攪拌してくれて、まろやかな味に戻る。
そのとき振る音がやっぱり「カラカラ」と。
でもお酒の強いうちなーんちゅは、小さな酒器「カラカラ」の
泡盛ごときを長時間置くかしらん?とか思ったり。
上の写真にかわいらしいお猪口を添えてますが、古酒になると
アルコール度数40や50なんていうのもありますので、小さな
お猪口で舐めるように楽しんだりします。
そのお猪口について「カラカラの猪口は必ず三つ、五つと奇数で
つけられたそうです。酒を飲んでケンカになったとき、一人は
仲介役になれるようにとのことだそうです。」
と書かれてました。
目の前のやちむんの背景にある土地や人、文化を知ると
形や材料、技術の外に惹かれるものがあるのだと感じます。

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またお店に行ったとき情報提供お願いします。
あの宮古そばも食べたいさ

昨日は紅型の作業をビデオ放映してて熱中してみてました。
で先日鶴瓶の家族に乾杯は読谷村でした。読谷村が呼んでる(笑)
トントン拍子で那覇空港ですよ。
伊勢丹の沖縄展で「神村酒造」さん出展されて
ましたでしょう!(先日私が訪ねた蔵元です)
試飲させて頂きながら、接客サービスもしてきました。
販売されていた島豆腐、とっても美味しかったので
もう一度買いに行くつもりが、行けずに残念でした。
やっぱり地のモノですね。豆腐ちゃんぷるーが、
とっても美味しくできるんですよ。
沖縄へ行かれたらご当地グルメ、
楽しんできてくださいね!