『町家で和菓子教室 其の七』水羊羹・蕨饅頭ご報告 |
本日は、こしあんを使ったお菓子2種です。
つぶあんは、小豆から何度か炊き方を教えて頂きましたが、
こしあんは初挑戦!
そのこしあんを基本に「水ようかん」「あん玉蕨餅(饅頭)」
蕨餅は、中心にあんを置いて包みますので蕨饅頭が一般的な
呼び方かもしれません。ちなみに「蕨」は早春のイメージなので
多くは五月ころの和菓子だそうです。
ツルンとした食感と、冷やして食べられる和菓子なので、夏限定で
販売してはるお店もありますので絶対ではないようです。
アシカラズ。
では、清水さんよろしくお願い致します。
まずはこしあん作り。強火で砂糖を完全に溶かして澄みきった
液体に、小豆生あんを投入。(こしあんの基になる小豆を漉した
ものが、製餡所などで小売りされています。)
固まるまでのこしあんは飛んで危険!「あつっ!」
こしあんは火が命、強火で手早く回し、水分を飛ばす。
回し方も底から切るように・・ぐるぐる回すと空気が入って
白くなります。重労働です。暑(熱)いし・・・
冷めると少々固くなることも計算して。お菓子の種類により
適度な固さは異なりますが、今回は、持ち上げてもたっと落ちる感じ。
あんを冷やしている間に、水ようかんの準備に。
粉寒天に比べて風味と歯ごたえの良い天然の「糸寒天」
こちらは一晩水で戻されたもの。(長野県伊那産)
寒天は、寒暖の差が大きいところで干して作るのが適している
そうです。清水さんが持ってきてくれはったパンフレットは、
兵庫県丹波地区。海から引き上げられた海草を濾過・煮沸して、
ところてんにしていきます。手作りはたいへんな仕事です。
<江戸初め伏見の商人が、外に出していたテングサが固まっていたのを
偶然見つけ、何度か試作してみたところ海草臭さがとれ日持ちする
乾物になることを発見。宇治の萬福寺隠元禅師にみてもらったところ、
精進料理に使えるものだ、でかした!というわけで名前の無かった乾物に
「寒天」と名付けたそうです。なんと!寒天は京都発祥でした。>
ちょっと脱線しました。京都と聞くとつい・・・
寒天は完全に溶かしきらないと、歯触りの悪さなどがでてきます。
上白糖・作ったこしあんを加えて沸騰後、こし器に通しながら
別の容器に。粗熱を取って、バットなど型に移し替え冷やします。
(冷蔵庫でも常温でも) 意外と水ようかん、かんたん!
蕨饅頭のほうは、貴重な本蕨粉を使わせてもらいます。
今や中国産が大半で、馬鈴薯澱粉などが混ざったのも多いですが、
清水さん筋の、とある入手ルートから今日の舞台に。
冷めたこしあんのあん玉を用意しておきます。
蕨粉を鍋で練り上げたものを打ち粉にするきな粉の上に。
本蕨というのは黒いのです!
つきたてのお餅のように熱いうちに分量ずつちぎり分け、
お一人二個ずつ配給。きな粉でくっつくのを防ぎます
蕨餅にあんを載せて、くるっとひっくり返して綴じを
つまんでくるりん・・・ さすが先生早い。
「今までの包あんよりかんたんですよ〜。」
いざ、挑戦!
あれ、いつも優等生のKさん苦闘中。
綴じひっぱれば、天に穴あき・・・
だいじょうぶ、だいじょうぶ。上からきな粉でお化粧して
ほ〜ら、お店に並んでるみたいではありませんか!
水ようかんも冷え固まり、切り分けて。
試食会です。皆様、おつかれさまでした。
まだ今しばらく暑そうですから涼しげな和菓子、
楽しめそうです。ご自宅でお試しください。
*町家で和菓子教室のご愛顧ありがとうございます。
次回は秋の和菓子(未定)10月2日(日)開講です。
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