クラフトあまた沖縄たより 其の四 |
到着まで約20分の船旅です。
木工の森長さんには、すっかりお世話になりました。
本当にありがとうございました。
今度は京都でぜひお会いしましょう。
観光客らしき人も見えますが、フェリーは物資を運んだり
島民の重要な脚になっています。
私の乗るフェリーは最終便ですから、空いていました。
二階デッキにて、スコール後の空と海を見ていたら
フェリー乗組員さんに手招きされて。
沖縄本島を指さして「人が横たわってるように見えねぇか?」
「ちょうど頭の形になってるあたりが斎場御嶽だ。やっぱり何かあるんだぜ。」
真っ黒に日焼けした顔で白い歯を見せて話してくれました。
ふふっ、ちょっとキザですねぇ。。
確かに右側が頭の方向で人間の形に見えます。(写真は明朝の)
出発から神秘的なスタートとなりました。
久高島は周囲7.75kmの小さな島で、琉球の祖神アマミキヨが
降り立ったとされ拝所や御嶽など点在し、現在も30回近い
年中行事、私有を許さぬ土地制度などがあり聖地とされています。
久高島HP
イザイホー(12年に一度午年に行われる祭事)など民族的に貴重な
島として注目されています。一般人が立ち入れない祭事もあります。
神事に関わるのは女性ですから男子禁制の区域も。
久高島の行事など動画で
久高島に着いてから今晩の宿泊場所「久高島宿泊交流館」
に向かいます。島は人口200人ぐらいです。民宿が3軒ありますが、
どこも満室でした。(間貸しのようなものなのでスグ満室です)
NPOが立ち上げた島の交流館は、部屋数がありますので予約が
取れました。
島を歩きだすと小中一貫校が一校。
石碑には「たくましく生きる」この島なら、育つ気がします。
しばらく歩くも目印になるようなものがない。。。
出会える人も限られているので、同じ道行く島民の方に
交流館までの道を尋ねました。
「この先に台風で倒れた樹があるけど、気にしないで通り越して
右へ右へ行って真っ直ぐだ」
乗り捨てられたような、路上駐車のような・・・
気になる樹ですが、通り越さねばなりませんね。
目的地が見えました、良かった。
施設はクーラーも効くし、きれいでした。今晩は散策といっても
真っ暗になると道に迷い危ないので、集落付近だけ散歩しました。
なにしろ島の1/5から北は、自販機・水道・建物がないのです。
海に向かって立つお墓。沖縄のお墓はご先祖さん代々一緒なので
大きくて立派な家のようです。
民家は玉のような丸い石垣に囲われてます。
コンビニなんてもちろんありませんから、個人の家が○○商店として
よろずスーパーの役割をしています。
オリオンビールも洗剤もポーク缶も、ちゃんぷるーです。
久高島は猫が多い島、どうです人間様のような寝姿。
浜に出てきました。時刻は19:30でしたが、子供が海水浴
してました。ほんとうに光の反射できれいな景色でした。
海と空の境目がないような澄み渡った世界。
暗くなるまで眺めていました。
港の近くの食事処「とくじん」で食事。地元の人達に
混じって観光客も。たいていの民宿は素泊まり基本なのです。
久高島は「いらぶー(ウミヘビ)料理」が特産ですが、私は
ちょっと・・沖縄もずくの養殖工場がありますので、産直の
美味しい天麩羅食べたり。
年に数回しか寄港しない漁師さんと話したり楽しかったです。
さすがにここでは方言の壁はありましたが。
帰り道々は、波の音と礒や土など自然の香りだけの真っ暗闇。
普段の生活では、いかに人工的刺激を受け続けているか
思い知らされます。
施設の職員さんのお薦めでもあって、朝日を拝みに参りました。
島のまん中に通る一本道をひたすら先端の「はびやーん」という
竜宮神が鎮まる神聖な土地を目指して。距離にして約4km弱。
途中聖なる樹クバ原生林などが見えます。
だんだん明るくなってきます。なかなか先端は見えません。
これは、浜辺へ出ないと日の出に間に合わないぞ!
というわけで、いくつかある東側の浜辺へ降り立ちました。
どこまでも続く水平線 昇る陽 薄れていく月
朝なのか夕なのか 何処の国なのか 男なのか女なのか
ただただ、潮の音と香りに包まれた世界
でも、これから帰る道があります。
誰にも会わない一本道。ひたすら陽を背に歩きます。
豚舎に車が向かっていきました。
人間の匂いがしてくると“ほっ”としたり。
ここは「フボー御嶽」神女が祭祀の際に立ち入ることだけが
許される神聖な場所。
「外間庭(ふかまどぅん)」旧正月などの祭祀を行う拝殿。
交流館に戻ってきたら、いい時間になってました。
島の野菜いっぱいの朝ご飯を戴きました。(予約者のみ500円)
人参しりしり(炒め物)とか島大根の千切りとか。
久高島9:00発のフェリーに乗るために精算を・・
たった一人の職員さんの姿が見えない!
おかしいな〜。
建物の奥に行ってみると、猫と朝ご飯食べてはりました。
「よかったら港まで送りましょうか。」
「ありがとうございます!」
車の中で、職員さんは関東出身で施設立ち上げのためにNPOの
要請で島に来たこと、始めだけのはずが8年になること、
島にこんなに長く日本本島人が住むケースは稀なこと、
島の神事には天皇家の即位儀式と同じ部分があること、
神話の話で、深い共通項があることなど伺いました。
「日本本島に帰りたいと思った事はありませんか?」
「日本人として、日本の景色を懐かしく思う事はあります。」
いつまでも、片隅に残る一言でした。
この島には、やはりなにか惹きつける力があるようです。
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その前に一度店に遊びに来てください!
実は旅の続きはまだあるのでした!
しつこいと言われても綴ります(笑)
次回は読谷村のやちむんの里の巻〜
京都は連日35℃前後。
道行く人は月光仮面のようないでたちですよ。。
夕方になるとムシッときますね。風が抜ければずいぶん
楽なのですが。
hさんに詳しくお話したいこともありますが、
沖縄に呼ばれたら行ってみてください。
自然の力、土地が持つ力は、きっとあると思います。
それでうちなんちゅーに、たくましく温かい気質を
持った方が多いのでしょうか。
ホントにこの旅も多くの出会いがあり、ご親切にして
いただきました。まだ続きがあるのでご報告致します。
(hさんは、何で続くとわかったのかしらん?笑)