ガラス工房におじゃましました |
大阪環状線の桃谷から歩いて行ける住宅街に工房はありました。
大阪には戦後たくさんのガラス工場がありましたが、今はすっかり
少なくなって、吹きガラス工房に関しては市内でも一、二軒を
数えるまでになってしまったそうです。
佐藤さんもかつては工房で働いてはったのですが、去年5月より
こちらの工房を立ち上げ、ご自身の作品作りと吹きガラス体験教室を
運営しておられます。
おじゃました日はちょうど体験教室の日でした。
佐藤さんはお忙しい中、快くご自身の事や作品の事を説明して
くださいました。
佐藤さんのお仕事は、器からオブジェ、照明器具、インテリア作品に
至るまで幅広く、とても器用な方で感心しました。
今後のあまたでご紹介させて頂きますので、お楽しみに。
さて、生徒さん達のガラス初体験の様子が大変楽しかったので、
「吹きガラスとはなんぞや?」を写真多めでご紹介致しますね


こちらは「玉取り」という作りたい作品の大きさに見合った
最初の一すくいの溶けたガラスをポンテ(吹き棹)の先に
取り上げて、風船ぐらいに息を吹いて膨らました状態のガラスです。
「玉取り」10年といわれるほどに基本の作業は、同じ量を正確に
すくい取れるまで経験が必要です。
これから、この風船がコップになっていきます。
思った形に成形するまで、吹き込んでは炉の中で温め、
また吹いて・・・の作業を繰り返します。

(炉の後に並ぶ使い込まれたハサミやペンチの道具が並ぶ姿がいいですね〜。)


これまで吹いていた方向がコップの口になるように、
ガラスを巻き付けた別の棹を持ってきて、ドッキングさせます。
上手く中心に据えないとブレが出てしまいます。口から棹をはずす瞬間、
ハサミで棹をパンッと叩いてはずすのですが、割れてしまいそうで緊張。


遠心力を利用して熱いうちに成形します。リズムを取りながら左右の手は
別々の動きをしなければなりません。どちらかが止まるとガラスはすぐ、
冷え固まってしまいます。

使う道具は意外なほどにシンプルで、金バサミと濡らした新聞紙。

う〜ん、コップらしくなってきました。

成形できたら徐冷窯の前でいよいよ棹から離します。
またパンッと叩いてはずし、ポンテの跡をバーナーで焙り塞ぎます。
窯の中に納めて、ゆっくり冷めるのを待ちます。
一つのコップを作るのに何工程もの作業が必要です。
同じ形を作るというのがいかに難しいことかと、溜息・・
でも、物作りというのは見ていて飽きません。ワクワクしてきます。
あらためて、
無から形を作るヒトという動物は素晴らしいなぁと思います。
陶器・ガラス・建築・お料理、どんなジャンルでも同じです。
作られる過程を見れば、よけいに出来たモノが愛おしくなりますね。
手作りの温かさはここから伝わるのだろうなぁ。と思います。
あまたはそんな温かさを伝えられる店になりたいと思います。
佐藤圭太さんの吹きガラス教室についてはこちらまで。
GGG Glass Blowing Studio
佐藤さん、皆さんおじゃましました。ありがとうございました。

↑クリックして頂くとブログランキングにカウントされます。
応援して頂けると嬉しいです。