韓国にて。 2010 (六) |
MUSEUM ofKOREA STRAW and PLANTS HANDCRAFT
日本で「韓国の手仕事」という一冊の本を手にしました。
西日本新聞社の記者 田代俊一郎氏がまとめた韓国の手仕事、
陶器や文具、ポシャギなどのレポート。
その中で、<キリギリスの家>という項がありまして、
藁で出来た「ヨチチブ=キリギリスの家」を博物館と
共に紹介されていたのです。
ぜひ、行ってみたいと思い、本の情報を頼りにホテルのデスクで、
最寄りの駅と地図を調べてもらって訪ねました。
地下鉄「大学路」駅から歩いて行ける範囲でしたが、見つからず。
近くを歩く老若男女にも「知らない」と言われ。
マニアな博物館らしい。やっぱり。
実は、すぐ目の前に看板がありましたがな〜〜〜。
立派なコンクリートの建物に、民家風のアトリエも。
草藁生活史博物館
1993年開館の私立博物館。館長は国立大阪民族学博物館に
学芸員留学されたそうです。本日はおられませんでした。
草、藁、柳などでできた生活民具が所狭しと展示されています。
館長は、“このままでは韓国の藁文化も消えてしまう”と
全国の農山村を回り収集だけでなく、作業工程もフイルム記録
されてます。
藁に関しては、日本よりも多様性に富んでいるようです。
日本は、竹や山の蔓植物の手仕事もたくさんありますから。
日本でも失われていく手仕事ですが、韓国も急速です。
(私も微々たる力ですが、店で紹介するため
失われていく手作り“ほうき”を追いかけてます。)
民俗村で使われていた鳥かごや、
藁といっても色鮮やかな工芸品にもなります。
ムギやイネ、色々な藁の見本に
編み方の見本。
制作の道具まで。
ナント、実演も!
博物館では、藁細工の作り手がなくなっても博物館で伝承
できるように、契約した農家から藁を買い、作り手を育てたり
子供達にワークショップで紹介しています。
おじさんはもくもくと縄を編み、アッという間にまとめて。
長いこと見てても飽きません。
最近の藁仕事(作品?)
私の博物館での収穫物です。
ほうきと、卵用の藁苞、そして三角のがキリギリスの家。
底は十字に組んであり、螺旋状にもっと大きくすることも可能。
手仕事の本を書いた田代氏は、キリギリスの家をぶらさげて帰る
途中で多く人から声を掛けられたそうです。
かつては職人芸ではなく誰もが出来た草遊びで、
懐かしかったからだろう、と。
私もこれらの藁細工をビニール袋に入れて地下鉄に乗っていると、
周りの人から指さして何か声を掛けられ、いつの間にか話題の
中心になっていることに気付きました。
「こんなの田舎にあったね〜〜。」って感じでしょうか。
ただ、関空行きの空港では、ブランドの袋や免税店の袋を
両手に帰る日本人の中、藁を大事に機内持ち込みする
ナゾの旅行者だったでしょう。無事持ち帰れて満足!
もう一つ、地下鉄こばなしです。
何度か利用しましたソウルの地下鉄。二度ほど車内で行商人に
出会いました。
大きなダンボール箱を改造したキャリーカーをゴロゴロさせて、
やおら大きな声で、商品見せながら売り歩くのです。
一人は「手袋売り」軍手に色が付いたような安いモノ。
もう一人は、何だと思います?
「バンドエイド売り!」
韓国は、靴下・手袋・バンドエイド・耐寒の必需品のようです。
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